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いのちまで人まかせにしないために

断食は万病を治す妙法である

2022.07.30

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断食は万病を治す妙法である。

 

これはインドで古くから伝わる「ヨガ」の奥義を表した言葉です。

そして断食を医学の世界で科学的に実証したのが、断食博士・甲田光雄医師です。

西医学健康法を土台にして「断食」や「少食療法」を追求し、「西式甲田療法」を構築した甲田光雄医師は、「断食は世界最高の健康法」であると明言していました。

 

残念ながら今日において、断食を指導している医師や施設はわずかです。

しかし、現代医学の治療をおこなう医療機関の中にも、東北大学心療内科のような施設があります。

東北大学では「心理療法」のひとつとして、患者は入院して絶食します。

断食とはいわず、「絶食」という名称のこの方法は「東北大学方式」と呼ばれています。

心療内科が絶食を採用しているということは、その方面の治療にも効果が認められているということの証左で、東北大学病院以外にも絶食を取り入れている医療機関があります。

東北大学心療内科では、過敏性腸症候群をはじめ、過換気症候群、不定愁訴症候群、肥満症、緊張型頭痛などの病気に成果をあげているといいます。

 

 

「本断食」というものがありますが、これが本来の断食で、摂取するのは水分だけ。

それを1週間か、あるいはそれ以上つづけておこないます。

甲田医師は患者に乞われて断食を指導し、その奥義を究めたわけですが、その長年の経験に基づいてこう述べています。

 

断食は、本来は病気や不健康な体を根本から治す治療手段なのです。

不快な症状が解消して体調が良くなり、疲れも少なくなって、スタミナがつき、病気になりにくい体になります。

現代医学で治療がむずかしい難病が改善することも、けっしてめずらしくありません。

断食は、病気にならないための世界最高の健康法であると、私は確信しています。

 

そしてさらに、

 

動物を飼ったことがある人ならわかるでしょうが、犬や猫なども、体の調子が悪くなると何も食べません。

つまり、断食をするのです。

これは、19億年の生命進化の過程で遺伝子が獲得した自然治癒力活性化の最高手段としておこなっているのです。

 

しかし本断食ともなると、なかなかの難易度です。

甲田医師は、断食療法を日本刀の切れ味にたとえ、断食の切れ味は鋭いと言っています。

断食は、刃渡りしているようなもので、ひとつ間違えると自分を切ってしまう。

この瀬戸際の経験値が「断食博士」と言わしめた奥義となっているのでしょう。

 

大阪大学医学部卒・医師・医学博士

 

甲田医師は、断食が自然治癒力を活性化するメカニズムをつぎのように解説しています。

 

断食は食物を一切断つので、体には飢餓という大きなストレスが生じる。

このまま放置したら、たちまち死に追いやられる。

体はそれを察知して、体の中にある器官を総動員して、断食による飢餓状態に対して生命を守ろうとして必死にもがく。

 

断食では、つぎの栄養素の補給が期待できないので、それでは体はどうするかというと、

 

胃に入ってきた食物は100%近く吸収して、それを身につけようと待ちかまえるようになります。

そして、飢餓状態というストレスに対する反発力は、体の仕組みを大きく変動させますが、その変動させる力、体質を変換する過程が、さまざま病気・症状を治す力(治癒力)として現れるのです。

 

今日においては断食・絶食による「オートファジー」や「ケトーシス」のメカニズムも解明されていますよね。

 

甲田医師が断食によって効果が得られたと報告している病気は様々ですが、一例として以下の病気をあげています。

アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、糖尿病、肝臓疾患、腎臓疾患、潰瘍性大腸炎、各種のガンなど現代に多い病気、つまり生活習慣病の過半を占めています。

また難病の脊髄小脳変性症が治ったり、重症筋無力症の進行が止まったりした例もあるといいます。

現代医学で治療が難しい病気、特定疾患に指定され根治する方法がない病気になって、改善の見込みがたたない場合、断食はひとつの選択肢となります。

 

しかしわたしたちに必要なのは、病気に罹ってから必死に治そうとする事ではなくて、病気に罹らないライフスタイルを習慣化することです。

 

 

「病気の治療(対症療法)」と「健康な状態に戻す」は、一見同じようにみえますが、実は大きな違いがあります。

「病気の治療」はクスリや注射、手術などに重点をおきますが、「健康な状態に戻す」処方は、自然治癒力を活性化することに重点的に取り組みます。

つまり食習慣(栄養)、運動、睡眠、骨格の矯正、排泄、自律神経のバランスなど、ライフスタイル全般の改善です。

今日のアメリカではこれを「ライフスタイル・メディスン」と呼んでいます。

これを昭和の初期段階から提唱しているのが、西医学健康法なのです。

 

常日頃から「1日2食」の節食・少食と「毎日の大腸のおそうじ」を心掛けてください。

これがライフスタイル・メディスンの基本中の基本であると、わたしたちは考えています。

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