マグネシウムセラピー
Magnesium Therapy ®
奇蹟のスーパー栄養素
Magnesium Therapy ®
奇蹟のスーパー栄養素
2024.11.21
目次
拙著『大自然の智慧 マグネシウムセラピー®』は、多くのお客さまにご愛読いただいておりますが、書籍という形態は紙面に限りがございます。
また、日本ではほとんど見かけることのない、マグネシウムに関する生理学的な詳細情報を入手したいというお客さまが多くいらっしゃいます。
本稿は、そのようなご要望にお応えし、ブログの形式で閲覧できるよう制作したものです。
ですから、書籍と重複するコンテンツも多くあります。
また投稿済みの記事であっても、関連する新たな情報などがあれば、随時更新・修正していきますのでご了承ください。
微力ながら、より多くの方の生涯の美と健康をサポートする一助となれば幸甚でございます。
知識はすべてを可能にする。
知識がなければ、この世は闇だ
── バルタザール・グラシアン(Baltasar Gracián y Morales)
スペイン黄金世紀の哲学者、神学者、イエズス会司祭者。教育的・哲学的な散文を数多く残した。代表作『エル・クリティコン』(El Criticón)は、『ドン・キホーテ』や『ラ・セレスティーナ』と並んで、黄金世紀スペイン文学における最も重要な作品の一つである。著作は、ニーチェやショーペンハウエル、ラ・ロシュフコー、森鴎外といった後世の哲学者や思想家に多大な影響を及ぼした。特に『処世神託』(『神託提要・処世の術』とも、Oráculo manual y arte de prudencia)は数百年を経て多くの言語に訳されている。スペインと、フランスとカタルーニャの連合軍との間で戦われたカタルーニャ反乱では、スペイン軍に従軍してカタルーニャで戦い、兵士達から「勝利の司祭」と呼ばれ慕われた。『THE MANUAL OF PRUDENCE』より
あなたの細胞一つひとつに、生命の「スパーク(発火・輝き)」があります。
あなたの身体を動かす電気エネルギーのことです。
人によっては「気」「プラーナ」「生命力」と呼んだりします。
これは、世界中のどの国の文化や神話にも存在する普遍的概念です。
しかし、それは神話や想像上のものではありません。
地球上のあらゆる生命が、このスパークから生まれているのです。
豊さが歪に進化した今日、この生命の輝きは衰えはじめています。
わたしたちは絶え間なく押し寄せるストレスにうまく対処できず、有害物質に汚染された環境にどっぷりと浸かり、ホルモンバランスを乱し、血糖を不安定にし、マイクロバイオーム(人体に共生している微生物の集合体)の健康を損なう超加工食品を主食のごとく食べ、日を追うごとに「酸化ストレス=炎症体質」を悪化させています。
それらに加え、座りっぱなしの運動不足、その代償として、睡眠の質を下げる概日リズム障害に陥り、そしてまたデジタル社会の急速な進展は、日常的な孤独感を余儀なくしています。
こうした影響は、細胞が生み出すエネルギーが目に見えて減少していることを意味しています。
生物はスパークがなければ、健康に長生きすることはできません。
細胞レベルでエネルギーが枯渇すると、わたしたちの生命は輝きを失ってしまうのです。
米国の著名な自然医学博士であり、機能性医学コンサルタント(ダイナミックな新しいアプローチを求める個人のために特別に設計された最先端の健康およびウェルネスプログラムを作成する)でもあるロバート・フレドリクソン博士(Dr. Robert Fredrickson, DNM., DC., CFMP.)は、自身の著書(邦訳未刊)において次のように問いかけています。1
As crazy as it seems, there is a magic mineral that can heal a multitude of health problems and so much more…
クレイジーに思えるかもしれませんが、あなたのスパークを再び輝かせ、多くの健康上の問題を治すことができる魔法のミネラルが存在します…これをうまく活用できれば、夢を追いかけるエネルギーを手にすることができます。
年齢は関係ありません。
あなたが今どのライフステージにいたとしても、細胞のエネルギーを活性化することができるのです。
彼はつづけて、あなたにこう問いかけています…。
・特定のミネラルが豊富な食品を毎日食べれば、脳や心臓血管のリスクが大幅に減少して長生きできると言われたらどうでしょう?
・毎朝、一日を始める前に2カプセル摂取すれば、毎日午後に忍び寄るしつこいこむら返りや筋肉痛を止めることができると知ったらどうでしょうか?
・毎晩寝る前に特定のパウダーをスプーン1杯摂取すると、あなたが経験しているストレスや不安感が軽減され、より良く深い睡眠が得られると教えられたらどうでしょうか?
・便秘は正常な体の状態ではなく、特定のミネラルを摂取すると、より定期的に毒素を排出できると言われたらどうでしょうか?
・日常的に起こる目のけいれん、頭の霧(ブレインフォグ)、慢性的な疲労はすべて特定のミネラルの欠乏に関連している可能性があると言われたらどうでしょうか?
・もしあなたが慢性的な片頭痛や頭痛に苦しんでいて、このミネラルを適切な形で摂取すれば、片頭痛や頭痛の頻度や重症度が大幅に軽減され、もしかしたら薬の必要性も減る可能性があるとしたらどうでしょうか?
・特定の日常的な「普通の」病気が、あなたにとってもはや普通である必要はないということを知りたいと思いませんか?
繰り返しになりますが…ここで問い掛けられた問題や、その他多くの健康問題を解決できる魔法のミネラル(鉱物・栄養素)が存在するのです…。
フランス革命の少し前まで遡りますが〝近代化学の父〞と称されるフランスのアントワーヌ=ローラン・ド・ラヴォアジエ(Antoine-Laurent de Lavoisier)は、次のように看破しています。
生命とは一種の化学作用である。
La vie est une Fonction Chimique.
つまり化学物質の効用とは、主として、その化学的作用に求められるということですが〝人間の生体の化学は、ほとんど大部分、自然の飲食物によって与えられている〞という事実を改めて認識する必要があります。
人類が薬としてきた自然の食物には、その化学作用を可能としている栄養素など様々な成分が含まれています。
そして、人体で役立っている栄養素のほとんどは、タンパク質です。
そのほかにも、脂質や糖質、ミネラル、ビタミン、ファイトケミカルなど栄養にはたくさんの種類があります。
ところが、食事が健康に良いものである(食物を栄養素に分解・吸収する)ためには必須であるにもかかわらず、完全に無視されてきた栄養素があります。
それが「マグネシウム」です。
わたしたちは、この奇蹟のミネラルの適正量を日常的に自然の食物から摂取するよう教えられてきませんでしたし、人間の身体にはマグネシウムが重要だとされる理由が、多々あることも知らされてこなかったのです。
本書をお読みいただければ、医師や栄養士、製薬会社、マスメディアからも、このような貴重な情報が与えられていない事実に気づくことでしょう。
「専門家」と呼ばれている人たちのほとんどが、いかにマグネシウムが人体にとって必要不可欠な栄養素であるかという知識を持ち合わせていないのです。
確かにこれまで、栄養素としてのマグネシウム不足が人体にどのような影響を与えているかといった情報は数えるほどしかなく、世界的にみてもマグネシウムに関する研究は遅れていました。
日本においては、更に欧米諸国の後塵を拝しています。
何故なのでしょうか?
現代の医学は、自然の食物(栄養)を忘却して、栄養を無視し、それ以外になお人工的な化学合成物質を薬物動態に乱用しようとしているからです。
そしてその結果、悲惨な「薬害」という欠陥が暴露されるに至っています。
また医師も通常は医学校で「栄養」について詳しく学ぶことはありません。
医師は「病気」について勉強しているのであって、「健康」について勉強しているわけではないからです。
スーパー栄養素(Super nutrient)という言葉を使うのは躊躇われますが、必須ミネラルに分類されるマグネシウムはそれに値します。
マグネシウムは確認されているだけで、細胞レベルで起こる1000以上の生化学反応に関与し、800種以上もの「酵素反応」を直接制御し、間接的には数千種類の酵素にも必要な補助因子です。
2012年の生物学的評価研究では、体内の数兆個の細胞の構築、修復、維持に不可欠な3751個のヒトタンパク質でマグネシウムが検出されたと報告されています。2
ミトコンドリアは、人体を動かすエネルギーをATP(アデノシン三リン酸)というかたちで生み出す発電所のような細胞内の小器官で、人体の総重量の10%を占めています。
ミトコンドリアがなければ、私たちの細胞は現在健康を維持するために使用しているエネルギーの19分の1しか生成できません。
現代の医学の新たな大きな洞察の1つは、慢性疾患の大半はミトコンドリア機能不全に起因し、それが慢性疾患の特徴である全身の細胞機能不全につながるというものです。
言い換えれば、慢性疾患 = 細胞機能不全 = 隠れたマグネシウム欠乏症です…ミトコンドリアはマグネシウムに依存しており、細胞内のマグネシウムの95%はミトコンドリアにあるのです。
つまり、マグネシウムが無ければ、エネルギーもない、運動もない、思考もない、そして生命もないというくらい重要な栄養素なのです。
今日、この「奇蹟のミネラル」に関するPubMed※に掲載されている学術研究(論文等)は、12万件を超える膨大な数に及び、その絶大な健康効果に関する結論を覆すのは不可能な状況です。
※PubMed(パブメド)とは米国国立医学図書館(NLM)が作成する、MEDLINE(メドライン)を含む 医学分野の代表的な文献情報データベースです。このMEDLINEでは世界中の5,200誌以上の雑誌に掲載された文献情報を検索できます。
しかしどうしてなのでしょうか、あなたの人生に最大級の影響を与えるであろう、このスーパー栄養素は、まったくと言っていい程、人々に認識されていません。
人体におけるマグネシウムの重要性を認識している人は、国民の1%にも満たないのではないでしょうか⁉︎
医学・医療業界の不都合な真実に蓋をする不健全な倫理的態度は〝病人が減らない現実〞として根深く社会に反映されています。
もし「人生学校」という教育機関があったとしたら、学業の筆頭に挙げられるのは「ヘルスケア・リテラシー(健康に関する知識と能力を活用する力)」という教科でしょう。
いくらその他の教科で優秀な成績であったとしても、人生の途中で病にたおれ、辛い闘病生活や若死にしたのでは人生そのものが意味を成さないからです。
もちろん人生にはマグネシウムより重要なものがあります。
しかしマグネシウムよりも重要なものは何かと問われても、応えに窮するのもまた事実なのです。
トーマス・E・レビー(Thomas E. Levy)医学博士は、ボード認定(米国循環器疾患専門医認定機構)の心臓病専門医であり法務博士です。
また博士は世界有数のビタミンCの専門家であり、ビタミンCと抗酸化物質の適切な役割について多くの医学的条件の治療に関する講演を行っています。
トーマス・レビー博士は、多くの異なるテーマの研究も行い、論文のほか書籍というかたちで発表しています。
レビー博士の重要な研究のひとつに「マグネシウム」があります。
そして、レビー博士がマグネシウムに関する医学研究のすべてを徹底的に掘り下げる作業は、医学の先見者であるレビー博士ですら予期していなかった壮大な全体像を明らかにしました。
博士はその成果を『Magnesium: Reversing Disease(マグネシウム:病気を逆転させる)』(邦訳未刊)という彼の12冊目となる著作で発表しています。3
その全容を一言で言い表すと「マグネシウムは、すべての病気や中毒の根本的な原因に対する自然な解毒剤である」ということです。
大げさに聞こえるかもしれませんが、そのエビデンス(証拠)は著作の中にあります。
そしてまたレビー博士の別の著作『Death by Calcium(カルシウムによる死)』(2013年)が出版されてからほぼ 12年が経ちました。4
博士は本書執筆の動機として、以下のように述べています。
この本を書く前の数年間、カルシウムの過剰摂取が健康に与える非常に悪い影響を示す査読済み※の研究に次々と遭遇するにつれ、カルシウムの過剰摂取の現実的で差し迫った危険性を明らかにする必要性が頻繁に浮上した。
※査読は、著者と同じ分野の研究者に論文の内容を評価してもらうことです。学会誌に研究成果を載せる価値があるかどうかの判断や内容の批評をしてもらいます。
さらに悪いことに、乳製品業界、サプリメント製造業者、製薬会社、そして世界中の医師が、健康の名の下にこの危険なカルシウムの過剰摂取を積極的に推進していました (そして今も推進しています)。
レビー博士は、カルシウムの過剰摂取による毒性を次のように述べています。
身体が定期的に摂取するカルシウムの量は限られているのは事実です。
成人が、乳製品をたまにしか食べない正常なビタミンD状態の人の健康的な食事に含まれる量よりも多く必要とするというのは真実ではありません。
実際、カルシウムの過剰摂取は、全死因死亡率、心臓病、ガン、関節炎、さらには認知症の増加と関連しています。
そして、宣伝文句に反して、カルシウムは骨粗鬆症に関連する骨折の発生を予防したり、減らしたりはしません。
これらの事実の科学的証拠は豊富にあり、その多くは数十年前のものであり、世界中の科学文献に「隠されて」います。
つまり、この国の医療従事者の大多数は、自らの医学雑誌に掲載された研究を知らないか、無視することを選択しているということです。
これは、ここ日本においても同様の状況です。
Mildred Sylvia Seelig M.D., MPH, MACN.
マグネシウム研究の第一人者であるミルドレッド・シーリング博士やアンドレア・ロザノフ博士らの研究は、『Death by Calcium』でさらに強化されるとともに、マグネシウムが実際にカルシウム毒性とそれが引き起こす細胞内損傷に対する天然の解毒剤であることを疑う余地なく証明しました。
これは、いまだに評価されていない大きな発見です。
細胞内カルシウムの過剰は、すべての病的細胞だけでなく、中毒や毒素への曝露の影響を受けるすべての細胞に存在します。
この細胞内カルシウムの上昇と、それが直接引き起こす細胞内酸化ストレスの増加は、病状や毒素への曝露を解決または改善するためには改善しなければなりません。
結局のところ、細胞内マグネシウム濃度の増加、——すべての疾患プロセスに特徴的なこの細胞内カルシウムの上昇——に対する天然の解毒剤なのです。
これらの細胞へのマグネシウムの取り込みが多ければ多いほど、カルシウムは移動して押し出されます。
細胞内カルシウム濃度を正常化するための追加手段はありますが、最も重要なのはマグネシウムです。
さらに、体内のマグネシウムの重大な欠乏が対処されないままであれば、他の手段では細胞内カルシウム濃度が正常化することはありません。
さまざまな栄養が健康を促進します。
しかし、マグネシウムはビタミン C とともに、他のすべてのサプリメントよりも優れています。
確かに、健康を強力にサポートし、定期的に摂取するのに最適なサプリメントであるさまざまなビタミン、ミネラル、栄養剤があります。
しかし、マグネシウムとビタミンCを定期的に適切に補給されなければ、すべての治療および/またはサプリメント・プロトコル(約束ごと)が最適な健康状態をもたらすことはありません。
本稿では、マグネシウムの「何」を学ぶだけでなく、その「なぜ」と「どのように」についても詳しく解説しています。
一般の方にとっては、個人のライフスタイルや健康管理の方法を変えるきっかけとなるでしょう。
彼らの研究と著作は、すべての病気が最終的に酸化ストレスの増加によって始まり、影響を受けた臓器や組織で拡散するという結論に至っています。
彼らの継続的な仕事は、この結論に達するための確かな科学的根拠を提供し、酸化ストレス(IOS)を軽減することで様々な生理機能の不具合(慢性変性疾患)を遅らせ、さらには逆転させる(健康な状態に戻す)方法に焦点を当てています。
さて世界には、生物におけるマグネシウムの重要性を認識し、日常的に会う人すべてに伝えているエヴァンジェリスト(Evangelist)のような人々が存在します…わたしたちは、彼らのこの善意の活動に賛同し、本書の無償提供という形で独自の啓蒙活動を行なっています。
トーマス・レビー博士の同僚で、マグネシウム研究の第一人者のひとり、キャロリン・ディーン(Carolyn Dean)博士の名著『The Magnesium Miracle』の冒頭文には次のように綴られていますのでご紹介しておきます。4
I dedicate this book to health professionals and practitioners all over the world who have already embraced the miracle that magnesium offers and incorporate this essential nutrient into their recommendations and protocols; to the “magnesium mavericks, individuals who have already soaked up this information like they soak up their magnesium and then pass it along to everyone they meet; and to all my new readers who are coming to this information looking or a solution to their particular health challenge.
May this knowledge, combined with effective magnesium supplementation, transform your health as it has for countless millions.
わたしはこの本を、マグネシウムがもたらす奇蹟をすでに受け入れ、この必須栄養素を推奨事項や手順に組み込んでいる世界中の医療専門家や医療従事者「マグネシウム・マーベリックス」つまりマグネシウムを吸収するようにすでにこの情報を吸収し、それを会う人全員に伝えている人々、そして特定の健康上の課題の解決策を探してこの情報にアクセスしている新しい読者の皆様に捧げます。
数え切れないほどの人々がそうしてきたように、この知識と効果的なマグネシウム補給が組み合わされて、あなたの健康状態が好転しますように…
ここでキャロリン・ディーン博士が言及している“ The Magnesium Mavericks(マグネシウムの勇者)というのは、組織や団体の名称ではなく、健康医学やバイオハッキングなどをHealthcare Literacy(健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力)とする各個人のことを指しています。
巨悪に立ち向かうMARVEL映画(Marvel Cinematic Universe)の『アベンジャーズ』のようなイメージをもつ人もいるかもしれませんが、彼らの活動は、知らないうちに世界を美しい場所に変えていく、広大な地下水脈のようにとても静かで穏やかです。
彼らの活動は、眼に見えない「クワイエット・ムーブメント(Quiet Movement)」と呼ばれるもので、自らの意思で人助けをしますが、見返りを求めることはありません。
そして彼ら(わたしたち)The Magnesium Mavericksが提唱しているのが「マグネシウムセラピー®」です。
わたしたちは、人生のクォリティは「知識」と「習慣」によって形成されると考えています。
ですから、まずはこの奇蹟のスーパー栄養素が、体内で何をしているのかを知っていただくことが重要なのです。
拙著『大自然の智慧・マグネシウムセラピー®』はそのための教材です。
そして、より多くの人に読んでいただくために無償で提供しています。
無償とは言え読むのは大変でしょうし、理解には努力が必要かもしれません。
しかし身についた知識(Healthcare Literacy)は、あなたやあなたの周りの人々の人生を土台から支える大きな力になるでしょう。
わたしたちが提唱するマグネシウムセラピー®は、常に自分たちも実践してきましたし、そして70年間にわたり、クライアントに提供してきたものです。
また筆者は身内の実体験によって、その効果を実感しています。
筆者の94歳になる父親は、現代の医療では治療法がない重度の心臓弁膜症を発症し、余命宣告までされました。
筆者は、心筋や心血管疾患、脳血管疾患がマグネシウム欠乏に起因することを知っていましたから、マグネシウムオイルの塗布やタウリン酸マグネシウムを服用することで寛解させることができました。
すでに5年ほど経過しましたが、現在も再発していません。
しかし、だからといって、わたしたち(The Magnesium Mavericks)は健康問題について、いかなる扇動も行いません。
何を食べ、何を食べるべきでないなど、賛成反対という観点からはお話ししません。
わたしたちは「学術的な理論家」でもなければ「実践を伴わない専門家」でもありません。
したがってドグマ的(独断的)な意見や、これが唯一の救いだというような主張は、わたしたちの考え方とは程遠いものです。
また、人々に何かを命じるようなアジテーションを行おうとも思いません。
ただ、物事の現実の姿を伝えようと思っています。
その事実を知って、あなたがどのようなライフスタイルを選択するかは、あなたの自由です。
本書を読むべき理由は、本書が証明してくれるはずですし、そしてその価値は、あなた自身で判断していただきたいと思います。
さて、マグネシウムセラピー®には、「排泄(Detox)」と「補給(Supply)」の相反する2つの療法があります。
1つ目の排泄には「水酸化マグネシウム」を利用し、2つ目の補給には、吸収率の高い「塩化マグネシウム」や「クエン酸マグネシウム」などを用います。
なぜ2種類なのかというと、水酸化マグネシウムは水に溶けない「非水溶性」のため、小腸でほとんど吸収されず(約4%)に大腸まで届き、緩やかではありますが優れた瀉下薬(下剤)として働くからです。
逆に塩化マグネシウムなどはバイオアベイラビリティ(人体に投与された成分のうち、どれだけの量が全身に循環するのかを示す指標。 生物学的利用能ともいわれる)に優れ、経口摂取及び経皮吸収のどちらも可能な性質を備えているからなのです。
世の中には「ライフサイエンス」と呼称して、健康問題をより複雑化させ、デジタルデータをAIに解析させるなどして高額な対価を得ている人たちもいます。
しかしわたしたちは、健康とは実にシンプルなもので、セラピー(療法)とは言っても、何も難しく考える必要はないと考えています。
マグネシウムセラピーには、高額な費用も面倒な処置も必要なく、誰にでも日常的に実践でき、そしてその効果を実感できる実に簡単なものです。
したがって、人体の不調や病気の根本原因を明確にする(原因医療:Root Cause Medicine)ことが重要になります。
マグネシウム療法の「排泄(Detox)」に関しましては、その重要性を拙著『Unshakeable Life〝揺るぎない人生〞』にて解説しております。
一方、世界的に見て、現代に生きるほとんど全ての人が、マグネシウム欠乏症(Magnesium Deficiency)に陥り、深刻な諸問題を引き起こしています。
よって本書では、ほとんどの人が知らないマグネシウムの人体における重要な働きと、主に「補給」に軸足をおいた療法などについてご紹介します。
キャロリン・ディーン博士らによれば、体にとって十分な量のマグネシウムは不眠症を改善し、運動選手ならスポーツのエネルギーレベルやパフォーマンスを高め、現代病である糖尿病、ガン、心臓病、神経疾患などの予防に役立ち、病気を防ぎ寿命を延ばすといいます。
そしてさらに、マグネシウム補給は手術の安全性を高め、出産時の合併症を予防すると述べています。
またマグネシウムを日常の生活に取り入れることで、筋肉痛、不眠症、片頭痛、月経痛、鬱病などの一般的な問題を緩和することができます。
マグネシウムは米、小麦、野菜、魚介類と同じようにわたしたちにとって食物であり、重要な酵素プロセスとATP産生を活発にし、エネルギーレベルを高めることができます。
マグネシウムを経皮吸収、経口摂取することは、生きる活力を増強し、生活習慣病の予防や改善、性生活の充実、または自閉症などの精神的疾患からの回復に役立ちます。
わたしたちは、奇蹟的治癒が可能な段階にまで医学が進歩しているものと想像していますが、病人は増えつづけており、なおわたしたちに欠けているのは病気の研究や医療技術などではなくて、天然アロパシー療法(ミネラルのような天然の栄養剤、食品を使った治療法)のような身体にパワーを与え、美と健康をもたらしてくれ、高価な医療や医薬品を買う余裕のない大多数の人でも実践できる機能性医学やライフスタイル医学などの健康医学なのです。
マグネシウムなどの栄養素は、生命や健康のために必要不可欠なものですが、ファストフードやコンビニ食などの現代的な食事をする人々の大多数が深刻に不足しています。
慢性疾患(生活習慣病)を持つ人は、細胞内のマグネシウム濃度が低いことは間違いありません。
化学物質に汚染された空気、水道水、食べ物、クスリに囲まれた生活をしているわたしたちが、酸化ストレスや炎症体質をデトックスし健康でいるためには、より多くの重要な栄養が必要なのです。
筆者の経験から推察するに、世界中の多くの人が〝生涯を(病院などのお世話にならず)健康に生きるための知識やそれを活用する能力(Healthcare Literacy)〞を持ちあわせていません。
また世の中には、商業的利益を優先した健康情報で溢れており、玉石混交といった状態です。
実際に、何を日々のライフスタイルに取り込んだらいいのか、混乱している人も多く見受けられます。
是非とも本書の内容を身近な人にお伝えいただき、慢性疾患に悩む人や、罹らなくてもよい病気で苦しむ人を一人でも多く減らしていって欲しいと願っております。
一方、製薬メーカーとしての立場から、医薬品(マグネシウム製剤)につきましては、厚生労働省や都道府県知事から承認を受けた効果効能以外の薬効について言及することは、法的に認められていないことをお断りしておかなければなりません。
本書は「必須ミネラル・マグネシウム」について言及したものです。
著作権はすべて保護されています。
この出版物の一部または全体を、批評での短い引用や著作権法で許可されたその他の非商業的使用を除き、出版者の事前の書面による許可なしに、いかなる形式または手段で複製、配布、または送信することはできません。
また「マグネシウムセラピー®」は、弊社の登録商標です。
本稿の情報は教育目的のみに提供されています。
本稿に含まれる情報は、筆者の知る限り、信頼でき正確であると考えられる情報源から編集されていますが、万が一誤りなどがございましたらご容赦をお願いいたします。
今後、この記事に対して随時変更や更新が行われる可能性があります。
本稿の執筆者は、健康と福祉に役立つ一般的な情報を提供することだけを目的としており、本書に記載されている情報の利用を検討する場合は、医師のアドバイスを受ける必要があります。
本書の情報は多くの研究者や臨床医の意見を反映しておりますが、医療アドバイスの代わりとなるものではありません。
またマグネシウムなどのサプリメントを摂取する前に、薬物相互作用と適切な投与量について医師に相談してください。
近年のマグネシウム研究は、このミネラルがもたらす膨大な恩恵を証明しつづけています。
結果として、細胞内マグネシウムレベルを増加させることが、すべての病気の過程に特徴的な高い細胞内カルシウムに対する自然な解毒剤となります——カルシウム毒性につきましては、本文で詳しく解説いたします。
これらの細胞へのマグネシウムの取り込みが増えるほど、カルシウムは置き換えられ、押し出されます。
細胞内カルシウムレベルを正常化するための追加措置もありますが、マグネシウムが最も重要です。
さらに、体内にマグネシウムが著しく不足している場合、他の措置では細胞内カルシウムレベルを正常化することは決してできません。
さまざまな要因が、健康を促進します。
しかし、マグネシウムはビタミンCと共に、他のすべてのサプリメントを超えて重要です。
確かに、健康を強力にサポートし、定期的に摂取すべき素晴らしいサプリメントとして、多くのビタミン、ミネラル、栄養素が存在します。
しかし、すべての治療および/またはサプリメント・プロトコル(手順や規約、規則)が最適な健康を実現することは、マグネシウムとビタミンCが定期的に適切に補充されていなければ実現できません。
本稿で後に言及する稀なマグネシウム過剰や毒性を除けば、誰もがここに示された情報を学び、応用することでベネフィット(恩恵)を得ると確信しています。
驚く準備をし、今手にしている豊富な情報を探求し活用することで、あなたは多くの悩みの解決策を見つけるでしょう。
マグネシウムをあなたの生活の一部にすることで、衰えはじめた細胞をスパークさせ、生涯をきっと豊かなものに好転することができるはずです。
第一部では、抗酸化物質であるマグネシウムの比類のない回復力としばしば治癒力について豊富なエビデンス(証拠)が示されています。
ここでは、マグネシウムがどのように「魔法」を発揮するのか、細胞レベルだけでなく、体内のさまざまな組織や器官系全体でのメカニズムが紹介されます。
第二部では、マグネシウムの治療的効果を他の介入と組み合わせて適用する戦略が提供されており、これによりさらなる損傷の予防と既存の損傷の修復/逆転を通じて最適な健康を達成する方法が示されています。
わたしたちは、真の健康とウェルネスに向けた医療の新たなフロンティアの入り口に立っています。
酸化したバイオ分子を機能的(還元された)状態に戻すとともに、慢性的に増加した酸化ストレス(IOS:Intensity Oxidative Stress)を防ぐことは、病気を逆転させ、さらには健康な状態に戻す(治癒する)ための実際的な希望を提供します。
では、マグネシウムの人体における、驚異のはたらきをお確かめください。
本稿は、単なるマグネシウムのお話しではありません。
References
1 “Magnesium Answers / Unlocking the Secrets of Magnesium” by Dr. Robert Fredrickson, Independently published.
2 D. Piovesan 2012, 169
3 “Magnesium: Reversing Disease”by Thomas E. Levy, MedFox Publishing.
4 “Death by Calcium-Proof of the toxic effects of dairy and calcium supplements” by Thomas E. Levy, MedFox Publishing.
5 “The Magnesium Miracle” by Dr. Carolyn Dean, Ballantine Books