人体

Human body

大自然の叡智の結晶・人体

インスリンとグルカゴンのお話し

2022.12.02

体型を気遣っている人にとって「インスリン」は、常に気になる存在です。

インスリンは、食べた物(特に糖質とタンパク質)に反応して膵臓の細胞群であるランゲルハンス島のベータ細胞によって産生されます。

その役割は、血糖値を低下させ、脂肪、筋肉、肝臓などの身体組織のグルコース(ブドウ糖)貯蔵を促すことです。

つまり、エネルギー源を蓄えて太らせることです。

Woman making skin fold on stomach and injecting medicine from syringe at home. Continuous administration of insulin in treatment of type 2 diabetes mellitus concept

一方、「グルカゴン」は、ランゲルハンス島のアルファ細胞でつくられるホルモンです。

グルカゴンの分泌はタンパク質の摂取、低血糖、運動によって促進され、糖質の摂取によって抑制されます。

インスリンの働きを「陽」とすると、グルカゴンは「陰」の働きをするのです。

グルカゴンはインスリンの作用とは正反対に、グリコーゲン(グルコースが肝臓、筋肉、脂肪細胞に蓄えられるときの形態)の分解や、糖新生(肝臓でアミノ酸とグリセロールからグルコースをつくる)を促し、血中のグルコース濃度を上昇させます。

グルカゴンの主要な役割は、空腹時や運動時に血糖値を維持することなのです。

十分な量のグルコースが血中に送り込まれると、インスリンがそのことを細胞に知らせ、グルコースを取り込み、燃料にするように働きかけます。

そして、この燃料を燃やすのがエネルギー産生の重要な細胞小器官であるミトコンドリアです。

インスリンとグルカゴンは密接な関係にありますが、基本的には正反対の働きをします。

すなわち、血糖値の高さによってどちらが分泌されるかが決まるのです。

血糖値が低いとグルコースの産生を促すためにグルカゴンが放出され、血糖値が高いとインスリンが放出され、細胞に脂肪が蓄えられるのです。

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