人体
Human body
大自然の叡智の結晶・人体
Human body
大自然の叡智の結晶・人体
2022.11.18
世の中には、定期的な運動をしていないのに、たくさん食べても太らない人がいます。
あなたの身近にも、そういう羨ましい人はいませんか?
食べても太らないタイプの人は、現代では幸運な遺伝子の持ち主かもしれませんが、旧石器時代では長生きできなかったでしょう。
一方、何を食べても太りやすく、脂肪を蓄積しやすい「倹約遺伝子」を持つ人は、食べ物の入手が困難な過酷な条件下でも生き延びやすいのです。
なぜなのか?
余分に摂取したエネルギーを効率的に脂肪に変えられたからこそ、人類は進化の過程で生き延びることができたのです。
人体のこのシステムは、わたしたちの祖先が限られた食糧しか手に入らない環境で生きていた数百万年間は環境とうまく適合していましたが、カロリーが豊富な現代においては、摂取エネルギーをできる限り節約するように設計された身体は問題になります。
少しでも食べ過ぎると、すぐに太り過ぎや肥満症になるからです。
食品のカロリーは、高圧力の純酸素が充填された密閉容器内でサンプルを着火・燃焼させ、その結果生じる温度上昇をボンベ熱量計で計測します。
正確には、1カロリーとは、水1グラムの温度を摂氏1度上げるのに必要なエネルギー(熱量)のことで、1キロカロリーの食事には4184ジュールのエネルギーが含まれています。
しかしこれは、あくまでも人の体内ではなく、水を沸かす場合の話しなのです。
タンパク質は1グラム当たり4キロカロリーなのに対して、脂肪は9キロカロリーで、脂肪の方がはるかにエネルギー密度が高いことが分かります。
しかし生物学的に言えば、タンパク質と糖質(両方とも1グラム当たり4キロカロリー)と脂肪は、大きく異なっています。
代謝の方法に違いがあるうえ、状況に応じてどれを燃焼させ、どれを貯蔵するかの優先度が変わるからなのです。
同じ100キロカロリーでも、白砂糖を摂取する場合(グラニュー糖でティースプーン6杯)と、オリーブオイル(大さじ1杯)で摂る場合では、身体の反応や空腹の感じ方も異なります。
試してみてください!
1日目は、シロップがけのベルギーワッフルなどの糖質中心の朝食を摂り、食後どれくらいで空腹を感じるかを測定します。
翌日は(同じカロリーになるよう調整した)野菜オムレツのような、たっぷりの脂質とタンパク質を組み合わせた朝食を摂ります。
前者のような糖質の多い食事の場合、たいていの人は2時間もするとお腹が減ってきます。
一方、脂質の多い朝食はそれよりも腹持ちします。
つまり、身体は、同カロリーの食事を同じようには代謝しないし、空腹の感じ方も違うのです。
では、この違いはなぜ生じるのか?
そこにはさまざまな要因が関わっています。
栄養の摂取・代謝は複雑な現象です。
食物が消化される方法、細胞が反応する方法、脳が空腹と満腹のシグナルを解釈する方法、さらには食べた本人の感情にまで影響を与え、多数のホルモン経路が動きます。
もし誰もが同じようにカロリーを消費するとしたら、食事と運動の量が同程度なら、体重に個人差は生じないはずです。
ですが実際には、代謝は人それぞれ違うので脂肪のつき方は人によって千差万別なのです。