健康
Health care
いのちまで人まかせにしないために
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いのちまで人まかせにしないために
2023.12.29
能登半島地震で被災された皆様へ
1月1日 16時10分ごろ発生した地震によって被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
皆様の安全と被災地の一日も早い復興を、心よりお祈り申し上げます。
ダイエット業界の「医学的事実」はよく変わります。
一体、どのダイエットプログラムが良いのか?
いろいろと思い悩んでおられる方も多いのではないでしょうか。
また糖尿病患者の方も同様でしょう。
病院では、いくつかの食事指導が行われていますが、効果を実感できないという患者さんが多いようです。
さて、どうなんでしょうか?
グリセミック指数(Glycemic Index/GI値)、よく聞きますよね⁉︎
現在よく知られている糖尿病の食事療法が、グリセミック指数(GI値)を利用するものです。
これはどういうものなのでしょうか?
当然ですが、摂取する食品によって血糖値の上がり方は変わります。
その違いを知る目安に使われるのが「グリセミック指数」です。
GI値は、個々の食品の炭水化物(糖質)量を一定に換算し、その食品を摂取した際の血糖値上昇の度合いを相対値であらわしたものです。
具体的には、食後2〜3時間の糖質の消化吸収速度を、ブドウ糖や食パンを基準(100)として表し、GI値が大きいほど短時間で血糖値が上昇、数値が小さければ血糖値の上昇が少ないことを意味し、糖尿病の食事指導などで広く利用されています。
たとえば、
精白米(GI値:84)>玄米(GI値:56)
うどん(GI値:80)>そば(GI値:59)
麦芽糖(GI値:108)>ブドウ糖(GI値:100)>果糖(GI値:30)
精白パスタ(GI値:65)>全粒パスタ(GI値:50)
このように比較対照することで、同じ食べるにしてもGI値が小さく血糖値の上がり方の緩やかなほうを推奨するというわけです。
消化吸収性がよく、ブドウ糖成分を多く含む糖質(炭水化物) は、吸収されるとすぐに血糖流入量が上昇します。
そしてまた、ブドウ糖はインスリンの分泌を強く促します。
しかし、同じ糖質であっても、消化後に「果糖(フルクトース)」や「ガラクトース(単糖の一種)」に変換されるものなら、すぐに血糖を上げることはありません。
それらは一旦肝臓に入ってからエネルギーとして利用されるか、または中性脂肪となって内臓脂肪として蓄えられ、その後必要に応じてブドウ糖に変換されるからです。
つまり、果糖なら短時間に血糖を上げる要因とはならず(GI値25〜30と低い)、またタンパク質や脂質も消化吸収後すぐにブドウ糖には変換されませんから、血糖をすぐに上げる要因にはなりません(果糖・ガラクトース・ 脂質はインスリン分泌を剌激しないが、タンパク質は分泌を強く促す)。
一見すると、とても便利に思えるGI値ですが、しかし果糖やタンパク質や脂質が体内に吸収されたあとで、どの程度ブドウ糖に変換されるかは、そのときの体調や個体差などによって大きく異なるため、絶対的な数値として盲目的に扱うことはできないのです。
GI値が食後の血糖値をコントロールするための「目安」として適していることは間違いありません。
これに着目し、GI値の低い食品だけを選別してそれだけを食事に取り込むという「低インスリンダイエット」という食事法が一時期ブームになりました。
いまもつづけている人がいるかと思います。
GI値は調理法によっても、数値が大きく変わります。
たとえば同じ白米でも「焼き飯」にするとカロリーは高くなりますが、消化吸収には時間がかかるため血糖の上がり方は緩やかになります。
これが「お茶漬け」になると、カロリーこそ低くはなりますが、消化吸収が早いので血糖の上昇は急激になるのです。
つまり、同じカロリーになるように計算されていても、血糖の上がり方はまったく異なるということです。
血糖値は摂取したカロリーで決まるのではなく、さまざまな栄養素の組み合わせや調理の仕方、食べ方などで決まるということです。
ここがポイントですね!
さらに、炭水化物をほとんど含まない肉類や魚介類のGI値を求めることは現実的に不可能で、まったく意味がありません。
ところが、「低インスリンダイエット」では、何らかの方法によってGI値的な数値を無理やり求め、その数値の低いものを選ぶという食事法を提唱しています。
このようにして求められた単品の数値のみに着目して食品を選別し、その限定された食品の組み合わせだけを食事に取り入れるということは、単なる「偏食のススメ」でしかありません。
栄養バランス的に好ましいことではないからです。
つまり、GI値の高い食品を摂ったからインスリンの分泌量が増える、GI値の低い食品を摂ったからインスリンの分泌量が減るという単純なものではないということです。
タンパク質だけを摂ってもインスリンは分泌されますし、さらに糖質とタンパク質が同時に摂取されると相乗的にインスリンの分泌量は増加します。
「低インスリンダイエット」の食事法は、GI値本来の利用の仕方とはまったく異なっており、本末転倒としかいいようがありません。
こうした商業目的の食事法(ダイエット)には注意が必要です。
繰り返しになりますが、GI値はその数値の背景を正しく知って使うのであれば、非常に利用価値の高いものです。
そのことをお忘れなく。
では、〝タンパク質食を中心にして、糖質(炭水化物)を極力排除した食事法〞つまり「糖質制限食」はどうなんでしょうか?
ご存知のように、血糖は糖質(炭水化物)を摂ることによって上がります。
つまり〝炭水化物(主食)を摂らなければ血糖は上がらない。これこそが糖尿病患者の食事にもっとも適している〞と、一部の糖尿病患者のあいだで広まっています。
炭水化物を摂らなければ、確かに食後の血糖の上昇だけは抑制することができます。
しかし、それ以上にさまざまな「致命的問題」を抱えていることをご存知ないようです。
「糖質制限食」のポイントは、食後の血糖を上げる最大の要因である糖質(炭水化物)を極力とらず、その代わりに、おもに高タンパク質(動物性タンパク質)や脂質をカロリー源とする考え方です。
栄養素の中でも糖質を除く脂質やタンパク質は、消化吸収されたあと、一旦中性脂肪やアミノ酸に変換され、必要に応じてブドウ糖としてエネルギー源となります。
したがって、食後の血糖を急激に上げる因子ではない、ということはすでに述べたとおりです。
このように糖質(炭水化物 )を制限し、高タンパク質食品を中心とした食事にすれば、当然、食後の血糖の上昇は緩やかになります。
また、食後の血糖値の上昇を防ぐことができますから、わたしたちが目安とする「ヘモグロビンA1c」(糖尿病の程度を知るための数値 )も正常値に近づきます。
では何が問題なのでしょうか?
それは、糖尿病患者が「糖質制限食」を長期間継続すると、もともと障害のあるインスリン分泌機能をさらに悪化させてしまうことが問題なのです。
へモグロビンA1cが正常値に近づくのはよいけれど、空腹時血糖値は高くなり正常値に入ることはありませんし、インスリン分泌能は改善されるどころか、糖質をまったく代謝できない「インスリン分泌不全」に陥ってしまいます。
さらに大きな問題は腸内細菌の健全性を損なうことです。
その仕組みは後述しますが、そのことによって各種の重篤な病気を引き起こす可能性が高まってしまうのです。
「糖質制限食」は、野菜類を積極的に摂るようにも推奨していて、糖尿病だけでなくダイエットにもいいといわれています。
実践している人も多くいるのではないでしょうか⁉︎
しかし、肉や魚などの動物性タンパク質と、野菜類の単純な組み合わせによって、「ニトロソアミン」という発ガン物質の生成を増加させることはあまり知られていません。
糖尿病を悪化させるだけでなく、ガンの発症や転移の可能性なども覚悟しなければならないということです。
前述の通り「糖質制限食」は腸内細菌の健全性を損ないます。
もう少し詳しく見てみることにしましょう。
あなたは、「糖質制限食」を行っている人たちの息や体臭が、動物の排泄物のように臭うと感じたことはありませんか?
本人はこのひどいニオイにほとんど気がつかないようですが…😰
実はニンニクなどを食べたときとはまったく違い、このニオイは体の病的な変化を示すサインなのです。
ではなぜこのようなことが起きるのでしょうか?
腸内には善玉菌と悪玉菌が棲んでいて、おもに善玉菌は未消化の糖質を、悪玉菌は未消化のタンパク質をエサにしています。
そして、「糖質制限食」はタンパク質や脂質をおもなエネルギー源とする食事方法です。
つまり、「糖質制限食」は悪玉菌のエサを積極的に摂るように推奨し、なおかつ善玉菌のエサを制限しているわけです。
「糖質制限食」の恐ろしさは、糖質を摂らないことにより、糖質を代謝できない体質に変わってしまうことのみならず、悪玉菌優勢の腸内細菌にしてしまうことなのです。
その結果、体臭の問題以外にもさまざまな病気を引き起こす危険性が高まります。
大腸悪玉菌のエサとなるタンパク質には、食事由来の未消化タンパク質や消化酵素、 脱落上皮細胞などがあり、悪玉菌はこれらのタンパク質を腐敗させ、アンモニア、インドール、スカトール、フェノール類、硫化水素、猛毒のアミン類などの有毒物質を生成します。
これらの有毒物質は、腸壁細胞を少しずつ傷つけて大腸ガンの原因となったり、肝臓に多大な解毒負荷をかけたりもします。
また、解毒能力を超えてしまったアンモニアなどの有毒物質は、全身の細胞を傷つけ、脳障害をはじめとするさまざまな病気の原因となります。
さらに、大腸ガン、前立腺ガン、乳ガンをはじめ、心臓病、アレルギー、認知症のような病気との関連性も危惧されるのです。
このように、「糖質制限食」によって悪玉菌が優勢となった腸内では、インドールやスカトール(スカンクのオナラの成分)といった悪臭の強い物質が生成されます。
これが耐えがたいニオイ(悪臭・腐敗臭)の原因で、まさしく危険信号となっているのです。
腸内環境は、善玉菌と悪玉菌のバランスによって成り立っています。
大豆食品などの「植物性タンパク質」よりも、肉類などの「動物性タンパク質」を多く摂ると、より多量のアンモニアが生成されます。
腸内環境のバランスが崩れて、悪玉菌の勢力が善玉菌を上回ってしまうからです。
さらに、動物性タンパク質の中でも消化の悪い肉類(燻製や脂身の多い肉など)を摂ると、有毒物質の生成量はさらに増加してしまいます。
これを「ガン」への影響という観点から考えてみると、
①悪玉菌は腸内をアルカリ性にして免疫力を低下させる
②悪玉菌が作りだす第二級アミンは、亜硝酸と結合してニトロソアミンという強力な発ガン物質を作る
③悪玉菌はデオキシコール酸などの発ガン性のある二次胆汁酸を作る
動物性タンパク質を摂り過ぎた結果、あなたの体内では、このような現象が実際に起きてしまうのです。
腸内環境のバランスをとるためにポイントとなるのが、未消化の糖質とヒトの消化酵素では分解できない食物繊維や難消化性でんぷん、難消化性のオリゴ糖や糖アルコール といった「難消化性糖質」を摂取することです。
なぜなら大腸善玉菌は、糖質に含まれるこれらの未消化の糖質と難消化性糖質をエサとして増殖するからです。
ところが、「糖質制限食」は未消化の糖質はもとより、難消化性糖質の摂取を制限します 。
するとエサが無くなった善玉菌は、生存できなくなります。
その結果、悪玉菌が優勢となり、バランスの悪い腸内環境となってしまう、というわけです。
糖尿病体質改善に、服薬はよくないようです。
クスリは血糖値を下げるためのものであり、糖尿病体質改善の観点からはマイナスになるものがほとんどです。
それ以上に、「糖質制限食」は食後の血糖値をすぐに上げることはないにしても、新たに重篤な病気発症の可能性を高める食事法であることをしっかりと認識しておく必要があります。
糖尿病の患者が減らない背景には、このような間違った食事指導(ダイエット法)が「常識」として流布されているがための悲劇だと言っても過言ではありません。
世の中の常識には、注意が必要です。
弊社のお客さまには、是非「ヘルスケア・リテラシー(健康に関する知識と能力を活用する力)」を高めていただき、思う存分、人生を楽しんでいただきたいと思います。
Volume 2では「糖質制限食」がいかに危険なのか、わたしたちの健康をどのように阻害しているのかを、腸内細菌(善玉菌)を通して見てみることにしましょう。
Volume 2では以下のコンテンツをご紹介します。
● 善玉菌が合成する「短鎖脂肪酸」が糖尿病を改善する
● ビオチン療法と腸内細菌との関係
● 善玉菌の抗ガン作用と抗酸化作用
● 食事をしなくても悪玉菌はエサに困らない⁈
Volume 2はこちらからご覧いただけます。
https://minus-chokaz.jp/health_care/4608/