健康
Health care
いのちまで人まかせにしないために
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いのちまで人まかせにしないために
2023.03.10
弊社のお客さまは大きく分けて「予防医療(Preventive maintenance)」を目的とした方と、「何らかの症状」を抱え、健康な状態に戻すことを目的とした方がいらっしゃいます。
弊社では、後者の「何らかの症状」に悩まされている方へのアドバイスとして、「その症状の原因はなんだろう?と考えてみてください」とお伝えしています。
自然界に「原因のない結果はありません」から、必ず原因があります。
原因さえわかれば、改善することができます。
一方、「この症状をなくすためには、どうしたらいいのか?」と考えた場合、症状の改善は困難となります。
現代の医療で「病人が減らない」のは、「原因を考えない」ことが原因となっているのです。
そしてその原因(遺伝などの先天的なもの以外)のほとんどは、「吸う空気(環境)」「飲む水(飲料)」「食べる物(食事)」「食べ方(量と回数)」「排泄」のどれか、またはこれらの複合的なライフスタイル要因です。
さて、ここ日本では高齢化の進展とともに、認知症患者数も増加しています。
「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人、2025年には約675万人(有病率18.5%)と5.4人に1人程度が認知症になると予測されています。
若い世代の方にとっても他人事ではありません。
弊社のお客さまの中にも「アルツハイマー病」や「パーキンソン病」に悩まされている方がいらっしゃいます。
本稿では「健康医学」の観点から、マグネシウム欠乏症とアルツハイマー病、パーキンソン病との関係をみていきましょう。
米国のマグネシウム研究の第一人者のひとり、キャロリン・ディーン医学博士(自然療法医博)の著書から抜粋してご紹介いたします。
北アメリカでは、65歳以上の人の10%、85歳以上の人の50%にアルツハイマー病が見られる。
これには深刻な記憶喪失・認知機能障害、日常生活の活動が不可能になるといった支障が伴う。
特定可能な他の脳障害のすべてが消し込まれてから、初めてアルツハイマー病と診断されるべきである(他の障害とは、例えば脳腫瘍・アルコール依存症・ビタミンB12欠乏・水銀アマルガム中毒・うつ症状・甲状腺機能低下症・パーキンソン病・脳卒中・処方薬の過剰投与・栄養失調・脱水症など)。
実のところを言えば、死後解剖をして見ない限り、決定的な診断は不可能である。
解剖によって、アルツハイマー病と断定できる諸特徴が脳に確認される。
すなわち、神経線維、それも特に大脳皮質と海馬の領域の神経線維に見られるプラークと「もつれ」である。
ライナス・ポーリングとともに、分子矯正医学を創始したエイブラム・ホッファー博士(Dr. Abram Hoffer)が、次のように警告している。
すなわち、アルツハイマー病と目される症例の半分近くが、実際には冶癒可能な諸症状によって起きた認知症である可能性がある。
ここで言う治癒可能な症状とは、単なる脱水症状、処方薬による中毒、食品や化学薬品に対する重度の脳アレルギー、慢性栄養失調である。
アルツハイマー病を悪化させる薬品には、クロルプロマジン・抗ヒスタミン剤·バルビツール酸系睡眠薬・向精神薬・利尿薬がある。
化学薬品や有毒金属がアルツハイマー病に関連しているが、とりわけ水銀とアルミを挙げておかねばならない。
アルツハイマー病と水銀の関連を追っておられるのが、ボイド・ヘイリィ博士(Dr. Boyd Haley)という、ケンタッキー大学の化学科教授で、同科の科長を務める方である。
ヘイリィ博士が検証されたことは、アルツハイマー病患者の脳に見られる「もつれ」とプラークが、水銀中毒でも同じように起きるという事実である。
水銀は歯科用アマルガムから脳内に吸収されるし、インフルエンザ予防注射を受けて取り込まれることもある(水銀とともに保存されるため)。
あるいは水銀に汚染された魚介類を日常的に食べることも原因となる。
体内でマグネシウムが利用され得る状態にあれば、重金属の無害化が促進される。
たとえ水銀のように毒性の強いものであっても例外ではない。
多くのアメリカ人がアルミにさらされているが、その源はアルミ鉢・アルミ缶・アルミ含有の制酸剤・制汗剤・アルミホイル、さらにはアルミ含有量の多い水道水である。
かなりの件数に昇る研究により示されているが、アルツハイマー病に冒された脳内ニューロンには、通常のニューロンに比べて、相当にアルミのレベルが高くなっている。
また、アルツハイマー病患者では、この疾患で最も激しく損傷を受ける部位、すなわち海馬でのマグネシウム・レベルが一貫して低くなっている。
体内の酵素系の一部で、アルミがマグネシウムに置き換わることがあり、マグネシウムの機能を模倣しはするが、害を引き起こしてしまう。
さらにアルミは、脳内のマグネシウムと置き換わることがあるが、そうなると脳神経細胞のカルシウム・チャンネルが大きく開いたままの状態となり、カルシウムが殺到して、細胞死を起こさせてしまう。
大気学者のウィリアム・グラント(William Grant)は、アルツハイマー病に個人的関心を抱いていた。
この疾病には明確な家族歴との関連があることを見て取ったからである。
グラントが前もって承知していたことだが、一般にアルツハイマー病の人では、脳内のアルミ濃度が高いのである。
グラントはこの知見を次の事実とつなぎ合わせたのである。
すなわち、酸性雨が降ると樹木のアルミの量が増大し、樹木の老化が早められているようだという事実である。
グラントの理論付けによると、アルツハイマー病患者の食生活が激しく酸性に傾いていて、カルシウムとマグネシウムを身体から浸出させているというのである。
さらに、アルツハイマー病の人では、アルミ・鉄・亜鉛の量が多く、食餌の酸性度を中和してくれるマグネシウム・カルシウム・カリウムといったアルカリ金属の量が少ないことも確認している。
西ヨーロッパ諸国での典型的な食餌、すなわち高タンパク・高脂質・高糖分の食餌は、酸を作り出しやすいため、これがアルツハイマー病患者にアルミの荷重負担を生じさせる別の要因となっているとも考えられる。
同じように、パーキンソン病で起きる脳神経系の変性にもアルミが参与している可能性がある。
ある解剖検査によれば、パーキンソン病で亡くなった人では、正常人に比べ、脳内のカルシウムとアルミニウムの量が増大している。
酵素が体内で機能するのは、所要の補酵素〔共同因子〕が利用し得る場合に限られる。
補酵素には、主としてビタミンとミネラルがあり、とりわけマグネシウム・セレン・ビタミンC・ビタミンB6・ビタミンEが挙げられる。
カドミウム・アルミ・鉛といった金属は、特定の酵素に付着し、マグネシウムなどのミネラルを追い出してしまい、正常な酵素の作用を妨げたり、異常な作用を起こさせたりして、細胞を破壊してしまう。
研究結果が示すところでは、マグネシウムが潤沢であれば、金属、例えばアルミ・ベリリウム・カドミウム・鉛・水銀・ニッケルによって脳細胞が損傷を受けることはない。
また、周知のように、脳内マグネシウムのレベルが低いと、これにより重金属の脳への沈着が起こる。
これがパーキンソン病とアルツハイマー病の前触れである。
こうした金属類は、マグネシウムと争って脳細胞に入ろうとするようである。
したがって、マグネシウムが足りないと、金属類がいともやすやすと入り込んでくることになる。
小腸でも、ミネラルの吸収で小競り合いが起きる。
充分にマグネシウムがあれば、アルミが吸収されることはない。
例えばサルに、カルシウムとマグネシウムが少なく、アルミが多い餌が与えられると、無気力症に陥り、体重が減少し始める。
脊髄を顕微鏡で調べると、前部運動神経細胞(運動中枢)に肥大が見られ、さらには、その細胞内にはカルシウムとアルミニウムの蓄積が起きている。
アルミ食器で物を食べたり、アルミの入った制汗剤を使ったり、アルミホイルで食物を包んだり、アルミ分の多い水道水を飲んだりすると、腸のマグネシウムがこれに圧倒されてしまい、とって代わってアルミが吸収されてしまうことになる。
脳内のマグネシウム量についても、同じ成り行きに至るから、アルツハイマー病やパーキンソン病と結びつくアルミの堆積を発生させてしまいかねない。
ブレイロック博士(Dr. Blaylock)によれば、神経系疾患が多発する地域の土壌を調べると、アルミが高レベルで、マグネシウムとカルシウムが低レベルであることが判明するという。
死亡者のニューロンでも、アルミのレベルが高く、マグネシウムのレベルが低いことが分かる。
グアム島で、土壌のカルシウムとマグネシウムのレベルが最も低い地域は、神経系疾患の症例が最も多い場所と重なっている。
アルミがもつ致命的な作用からニューロンを保護するに当たっては、マグネシウムが重大な役割を果たしているのである。
アルツハイマー病やパーキンソン病など、脳神経系の変性による症状でお悩みの方は、生活の中からアルミニウム製品や水銀などの重金属に関わる物を排除する必要がありそうです。
体内を酸化させる肉食など、高タンパク、高糖分、低食物繊維の西洋式の食事は避けて、マグネシウムが豊富な自然な食材を多く摂り、ミネラルウォーターを常飲し、必要であればサプリメントやマグネシウムオイルなどで補うなどのライフスタイルを取り入れてみてはいかがでしょうか!?
もちろん、ジャンクフードなどの加工食品や清涼飲料水(特にアルミ缶)は排除しなければなりません。
てんかん発作などの脳神経系疾患に有効とされるのが「ケトジェニックダイエット」です。
詳しくは下記のブログ記事『ケトジェニック・ダイエットと癲癇(てんかん)』からご覧いただけます。
https://minus-chokaz.jp/health_care/2132/
マグネシウムは栄養素(必須ミネラル)で、今日、現代人が認識している薬ではありませんが、体内で重要な役割を担っています。
実は人類が誕生して以来、「薬」とは「栄養」のことで、自然の食べ物が薬を供給してきたのです。
つまり、本来は自然の食べ物が薬なのです。
ところが、120年程前にできた「医薬品」という商品が、いつの間にか「クスリ」にすり替わっています。
自然の栄養が薬なのですから、少なくとも医薬品はそれを原料にしなければなりません。
ビタミンやタンパク質、脂肪、炭水化物、ミネラルなどの栄養素で、つまり食べられるものです。
マグネシウムもその一つですね。
しかし、今日存在する何万種という局方薬は、石油などから化学合成して作られています。
残念ながら大手製薬企業は、特許が取得可能なクスリしか開発をしません。
栄養素は特許の対象外ですから、メガファーマの眼中にないというのが実情です。
「薬」と「クスリ」は読み方は同じですが、意味は全く異なるのです。
わたしたちは「自然の法則」が、すべてを支配している世界に生きています。
そして、自然界で38億年をかけて進化した人体(特に肝臓)は、自然の栄養素以外は、すべて毒物として扱い解毒しようとします。
ここで忘れてはいけないのが、デトックスの最終段階が「排泄」だということです。
毒物は体外に排出して、はじめて無害になります。
これも自然の摂理ですね。
かつて、シェイクスピアが言っていたように、
「自然でない行いは、自然でない混乱を生む」ことになるわけです。
これは人体においても同様です。
Reference
出典:“The Magnesium Miracle” by Carolyn Dean, M.D., N.D.
キャロリン・ディーン『奇蹟のマグネシウム』藤野薫 翻訳 熊本出版文化会館