健康

Health care

いのちまで人まかせにしないために

排泄時の「いきみ」にご用心!

2022.06.04

大腸は小腸で栄養分等を吸収された残渣から、大腸の前半部で主に水分を15〜20時間ほどかけて0・4リットルほど再吸収し、体内に戻す働きをします。

そして0・1リットルぐらいの水分は、便と一緒に体外へ排出されます。

 

また大腸は、小腸が取り残したものをなんでも分解する腸内細菌の巨大なコロニーの棲家となり、その分解の過程で多くの役立つビタミン、たとえばB1、B2、B6、B12などを捕捉して、それらも体内に戻しています。

Natural sources of Vitamin B12 (Pyridoxine).

 

大腸の主な働きのひとつは、小腸から送られてきた粥状の内容物を、肛門側にゆっくり運びながら水分や残った栄養素を抜き取って、排泄しやすい便を作るように調整することなのです。

 

ここで問題となるのが「便秘」です。

 

小腸も大腸も水分を体内へ戻す働きをしますが、あなたが慢性便秘で体外に排泄するのが困難だとすると、食べた物の残渣から水分はどんどん抜き取られ、まるで石膏のようにカチカチに固まります。

これが「硬便」、または「コロコロ便」といわれる状態です。

woman feel pain with constipation in wc

 

瀉下薬を服用しても、なかなか排泄できないという方は、ほぼこの状態です。

このような場合は、ある程度の長期戦を覚悟する必要があります。

根気強く「瀉下薬」と「水分」の補給をつづけてください。

まずは、硬くなった便に水分を含ませて、柔らかくすることが肝要です。

スイマグ・エースやマリンマグ・エースは、この固まって腸壁にこびり付いた便に、浸透圧[1]の作用で水分を戻す働きをします。

 

浸透圧の作用

 

水分を含んだ便は体積を増し、蠕動運動によって直腸に送られます。

直腸は、大腸の下端部分の長さ約20センチのまっすぐな管です。

便が直腸内に送り込まれると直腸の壁が伸びて、その刺激が脳に伝わり排便をしなさいと命令が下り便意を感じます。

 

「バナナ状の便」に固執される方が多くいますが、これを支持する科学的な根拠はありません。

もちろん、それは腸が健康であり、正常に機能していることの証ではあります。

 

意識して頂きたいのは便の形状よりも、「悪臭・腐敗臭」「排泄にかかる時間」です。

便の悪臭・腐敗臭は、「老化」や「体臭」、「病気」の根本原因となる有害物質が大量に発生していることを意味しますが、排泄にかかる時間はもう一つの健康リスクに関わっています。

 

便秘の人はトイレで、無理に出そうといきみ、血圧が上昇して「脳卒中」を引き起こしやすくなり、あわせて「痔」になるリスクも高まります。

 

Sit on the toilet Tight handful, excrete, selective focus

 

東北大学大学院の研究チームが2016年に発表した研究結果では、「便秘の人が脳卒中で死亡するリスクは2倍になる」という衝撃的なものです。

便秘が「動脈硬化」を進行させ、死亡リスクを高めているのは明白です。

 

健康な人が排泄に要する時間は、おおむね2分以内と言われています。

 

排泄にそれ以上の時間を要する場合、、、

弊社では瀉下薬を服用して、水分を多く含んだ「水様便」や「軟便」でスムーズに排泄することを推奨しています。

 

排泄時の便がバナナ状であろうが、軟便や水様便であろうが、重要なのは便の形状ではなくて、スムーズに排泄できているかどうかなのです。

 

便秘が及ぼす最たる悪害は「腸内腐敗(腸内異常発酵)」による有害物質の生成です。

間違った食習慣による悪影響の多くは腸内の腐敗に集約され、万病を引き起こす起点となります。

しかし一方では、排泄時の「息み」が思わぬ死亡リスクにつながる可能性があることを覚えておいてください。

とくに食生活が「動物性食品主体」の方や「高齢者」の方は注意が必要です!


Original note

1 浸透圧

濃度の異なる2種の溶液を半透膜を境として接触させると、溶質の濃度の小さいほうから濃厚溶液のほうへと溶媒の移動がおこる(ナメクジに塩をかけたときを考えればよい)。この現象を浸透という。以前は「滲透」と書いた。このような溶媒の移動を阻止するためには、濃厚溶液のほうに余分の圧力を加える必要がある。つまり、半透膜を通して希薄溶液のほうから、この余分の圧力に相当するだけの圧力がかかっていることになる。この圧力が浸透圧である。

人体内の体液の浸透圧は腎髄質(じんずいしつ)を除いてすべて等しく、かつ一定に保たれている。このため、浸透圧が変化すると、細胞内外、あるいは各体液間に水の移動がおこり、細胞内部の水欠乏や水過剰を生じ、円滑な生体機能が失われてしまう。したがって浸透圧は生体内部環境としてもっとも重要な条件の一つといえる。

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