社会
Social
人間が、人間らしく生きる環境
Social
人間が、人間らしく生きる環境
2025.01.18
目次
世界情勢を読み解く上で、もう一つ理解が必要なのが、世界で蠢(うごめ)く「4つの勢力」についてです。
ここからは、福田・中曽根内閣時代に首相特別顧問を務めた故・加瀬英明氏など、政治経済の多くの専門家が圧倒的支持を寄せる国際政治学者──早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。1977年から1985年までクレアモント大学大学院、ハーバード大学大学院に留学し政治学を学ぶ──藤井厳喜氏の解説をもとにみていきましょう。
トランプ氏は以下のように発言し、格差がひどく、まともな生活が送れなくなった多くの人の心を震わせました。
グローバリゼーションは、政治に寄付する金融エリートを豊かにしたが、何百万人もの労働者に貧困と心痛を与えた。
私たちの街には、空っぽになった工場しか残されていない。
…私はウォールストリート(金融街)のためにではなく、メインストリート(普通の人々)のために戦う。
では、格差を広げ、世界を滅茶苦茶にした「グローバリズム」とは何なのか?この辺りから見ていきましょう。
※文頭や文中で明朝体で書かれた部分は、ブログ筆者(私)の考えです。それ以外のゴシック体の部分は、他の文献からの引用です。
これまで先進国の政治は「保守派」と「革新派」、言い換えれば「コンサバティブ」と「リベラルまたはプログレシブ」という右と左の対立で動いていると考えられてきました。
しかしこれは、完全に時代遅れであり、これは1991年のソ連崩壊までの視点です。
それ以降は、「グローバリズムに賛成か反対か」の視点が重要になってきます。
グローバリズムという言葉は、場合によっては「人類を一体のものと捉える」ような、美しくポジティブで、理想主義的な意味合いを含んだものとして受け入れられています。
しかしその実態は、ボーダーレス経済、つまり「国境なき経済を進める」ことを意味します。
現代の対立軸は、このボーダーレス経済に賛成か、反対かが重要となってきます。
もちろん、従来のような「保守」対「革新」という価値観の対立軸も併存しています。
では「保守」とは、どういう意味なのでしょうか?
先進国を例にすれば、自由な企業体制があって言論の自由も保障され、民主政治体制を守るという意味です。
そして、そこに至る自分たちの伝統的価値を大事にしていくというのが保守の考え方です。
それに対して、そういう伝統に価値を置かず、変革していこうというのが「革新」です。
多くの場合、経済も自由経済体制よりは、平等に重きを置く社会主義的統制を重要視します。
ナショナリズムというと「偏狭で排他的なもの」ととらえがちですが、決してそうではありません。
むしろ民主国家において、国民の大多数の利益を最優先して政策を決定することと理解した方がいいでしょう。
それが「民主的ナショナリスト」です。
トランプ、安部晋三元首相などに代表され、保守主義に基づく経済的ナショナリズムが共通しています。
彼らは、世界を一つのマーケットととらえ、国境を無視して行動します。
GAFAM(グーグル・ アマゾン・フェイスブック(メタ)・アップル・ マイクロソフト)など、無国籍の超巨大企業にとって個々の国家はビジネスの邪魔でしかありません。
そこで、彼らは先進国の民主的なナショナリズムを嫌悪するのです。
また大統領選挙の終盤で民主党(ハリス)支持を表明したレディ・ガガやテイラー・スイフトなどのセレブリティが活動するエンターテイメント業界やマスメディアもグローバリストの典型です。
彼らは「大金持ち」ですから、経済的貧困に喘ぐ一般の国民から大反発を喰らったわけです。
極左のバラク・オバマ元米大統領、バイデン米大統領、カマラ・ハリス米副大統領、ボリス・ジョンソン元英首相、マクロン仏大統領、実業家のジョージ・ソロス、ビル・ ゲイツなどがその代表的存在です。
現在の国際政治経済を特徴づける大きな力が、この「無国籍企業的グローバリスト」です。
背後には、後述する「タックスヘイブン(租税回避地):ネットワーク」を維持するため、国家や国民、国境という存在を破壊したがる「英国守旧派」が存在します。
独裁国家の指導者を指すプーチン、習近平、金正恩などがその典型です。
「無国籍企業的グローバリスト」である超巨大企業が、賄賂などで独裁者を抱き込んでしまう場合もあります。
以前は、「社会主義的グローバリスト」の勢力はさほど顕著ではありませんでした。
「無国籍企業的グローバリスト」に助けられている小さな存在であるとし、筆者はあえて前著では独立したカテゴリーに入れていませんでした。
しかし今や、その存在を無視するわけにはいかなくなっています。
というのは、2024年、英国の労働党政権という社会主義的な政権が誕生したからです。
オバマ以降の米民主党、そして、カマラ・ハリスという大統領候補も「社会主義的グローバリスト」です。
しかも、この「社会主義的グローバリスト」は、しばしば「無国籍企業的グローバリスト」と連携しています。
今回、トランプが敗北していたら、自由民主国家、米国は崩壊し、世界の自由とデモクラシーは大きく後退していたに違いありません。
米国だけでなく、世界の経済秩序もアナーキー (無政府)状態と化したでしょう。
その結果、世界中で地域紛争が頻発し、世界の政治経済秩序は大混乱に陥ったはずです。
つまり今回の米大統領選は、世間の見方とはまったく正反対の「平和の候補トランプ」対「戦争の候補ハリス」の戦いでもあったわけです。
アメリカ国民は、この視点に気づき(覚醒して)立ち上がったのです。
では、主な先進国では、どのような構図が見られるのでしょうか。
各国では主に「無国籍企業的グローバリスト」と「社会主義的グローバリスト」と「民主的ナショナリスト」が対立しています。
日本でいえば、石破茂首相の自民党は「無国籍企業的グローバリスト」であると言えます。
以前の安倍政権は「民主的ナショナリスト」の色合いが強く、安倍政権のスローガン「日本を、取り戻す」が象徴するように、ナショナリズムや伝統的な価値観を大事にし、日本国のアイデンティティを強化しようとする姿勢でした。
資本主義経済の自由さや競争主義も大事にする反面、ナショナリズムの価値観も大切にしてきました。
ところが、岸田文雄政権は国際的な「無国籍企業的グローバリスト」政権だったと断言できます。
だから同じ立場の米国のバイデンと非常に気が合ったのです。
一方のトランプが唱える「アメリカン・ファースト」は、まさに「民主的ナショナリス卜」そのものの主張です。
言い換えれば「アメリカ国民のために」であり、その点で日本のナショナリズムを大事にする安倍元首相も共鳴したわけです。
同じカテゴリーに所属する政治家ということで、お互い仲が良かったのです。
トランプ氏とジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni )イタリア首相
トランプ次期大統領はイタリアのメローニ首相とフロリダ州の自宅で面会し、夕食とともに映画を鑑賞しました。
トランプ氏は夕食会の中で、メローニ氏について「素晴らしい女性だ。彼女はヨーロッパを席巻している」と称えました。
メローニ氏は欧州内において、立場的にもっともトランプに近い存在です。
移民・難民対策も、アフリカに戻す政策を実行しています。
現地メディアによりますと2024年11月の大統領選後、トランプ氏がメローニ首相と面会するのはこれで2度目です。
日本の石破首相はトランプ氏との面会のスケジュールさえ調整できていないのに、トランプ氏は一国の首相を差し置いて安倍昭恵夫人とも面会しています。
つまり、グローバリストである石破を相手にしていないということです。
他にトランプに近い「民主的ナショナリスト」として、ハンガリーのビクトル・オルバン首相があげられます。
オルバン氏は2024年7月に訪米した際、バイデンとは会わず、トランプに挨拶して帰国しました。
彼は「トランプが大統領だったら、ウクライナ戦争は起きなかっただろう」と断言しています。
2024年9月27日に実施された自民党総裁選の結果、岸田の正統な後継者になったのが石破です。
筆者は「キシバ(岸破)政権」と呼んでいますが、岸田政権と石破政権の中身はほとんど同じ、いや、キシバ政権は岸田政権の劣化版コピーと言えるかもしれません。
岸田以上に石破はグローバリズムに偏向しているのではないかと思えます。
岸田も石破も、基本スタンスは「国益を無視したグローバリズム推進」です。
保守政権の看板の下で、国家日本を壊すグローバリスト政策を進めています。
米国では、ハリスは「社会主義的グローバリスト」であり、明らかに左に振り切っていますが、バイデン政権を背後で支えているのは、国際的な脱税のための「タックスヘイブン・ネットワーク」です。
この勢力が世界の健全な秩序を破壊するために暗躍しているのです。
そしてこのネットワークを牛耳っているのが、英国の旧エスタブリシュメントであり、筆者はこれを「英国守旧派」と称しています。
世界が平和になり、各国政府間の経済連携がスムーズに行なわれれば、タックスヘイブンが活躍する余地がありません。
そこで民主国家を破壊し、世界が「市場原理」だけで動くようにするのが彼らの望みなのです。
つまり彼らが狙うのは、タックスヘイブンに本拠地を置く無国籍大企業が、国際的な裁判権、課税権、通貨発行権などを完全にコントロールする体制です。
グローバリスト勢力の中核が、英国守旧派です。
なぜかと言えば、グローバリストが富を貯蓄している場所が、英国守旧派が管理するタックスヘイブンだからです。
世界のタックスヘイブンの大部分は英国系、つまり、旧英国植民地か、英国の海外領土です。
「無国籍企業的グローバリスト」の頭脳は先進国にあり、そこで技術開発を行ないますが、主にモノを製造するのは低賃金の新興国です。
そして、それをリッチな先進国の市場で売りさばく。
しかし、彼らはそこで得た利益を海外のタックスヘイブンに蓄積し、温存しようとします。
先進国に利益を持って帰れば、高率の法人税を課されるし、製造拠点の新興国でも高額の税金を取られる恐れがあるからです。
独裁国家だと突然、利益が没収されてしまうことさえ考えられます。
そこで彼らはタックスヘイブンをフルに活用し、利益をため込むのです。
このタックスヘイブンのネットワークの中心は、ロンドンのシティです。
脱税天国 – City of London
かつて世界中に植民地帝国を築き上げた英国は、現在、ほとんどの植民地を失いました。
しかし今でも残っている最大の遺産が、世界に広がるタックスヘイブン・ネットワークなのです。
無国籍大企業は、米国企業であっても欧州企業であっても、これをフルに活用します。
そこで英国守旧派は「大英帝国なき後の世界植民地主義の実現」を狙っているのです。
英国という国家ではなく、自分たちが操るグローバルな無国籍企業に奉仕する世界体制の構築です。
ジョー・バイデン米大統領の地元は米国デラウエア州で、タックスヘイブン・ネットワークの一環です。
彼はデラウェア州を基盤として長年、上院議員をつとめました。
いわばデラウェアというタックスヘイブン州の用心棒役を担っていたのが、バイデンということです。
同州では「真の所有者が誰だかわからない」法人を設立することができるのです。
彼らこそが、タックスへイブンに富を保有する存在なのです。
その事実を照らして考えると、バイデンは間違いなく「無国籍企業的グローバリスト」の立場に立つ政治家です。
大企業または超大企業側、あるいは国際富裕層を代表する立場と言ってもよいでしょう。
しかし、米民主党でマジョリティーをとるためには、党内の「社会主義的グローバリスト」という左の勢力とも連携していかなければなりません。
その代表がカマラ・ハリスです。
つまり、バイデン、ハリス政権は「無国籍企業的グローバリスト」と「社会主義的グローバリスト」の連立政権なのです。
ハリスが副大統領候補に選んだミネソタ州のティム・ウォルズ知事は「社会主義的グローバリスト」の側にいます。
つまり、同じ民主党候補でも、バイデン、ハリス政権よりもさらに極左グローバリズムに偏向しているのが、24年米大統領選の民主党コンビ、ハリス、ウォルズであったわけです。
このように考えると、世界情勢をクリアに分析することができます。
では、経済面ではどうでしょうか?
2025年以降を予測するには、米国を中心にAI革命を中心とする第3次産業革命が起きていることを無視するわけにはいきません。
かつて未来学者のアルビン・トフラーが「第三の波」を提唱しました。
彼は「第3次産業革命がもう起きている」ということを1980年代の時点で予測していました。
当時、筆者は米国にいましたが、今の言葉で言えば「IT社会の到来」です。
コンピュータ、テレコミュニケーションの技術を中心に新しい産業革命が起きるということです。
「第一の波」は、人類社会で起きた初の産業革命である「農業革命」。
それまで狩猟・移動生活をしていた人類が定住し、農業を始めました。
それによって食料が豊富にとれるようになり、生活が安定し、文化も発達しました。
「第二の波」は、1700年代後半から英国で発生した、蒸気機関を中心とする機械化革命。
いわゆる「インダストリアル・レボリューション(産業革命)」です。
当時の動力は石炭を燃やす蒸気機関でしたが、これによって人間は自分自身の力や馬、家畜以外の動力を初めて使用することができるようになりました。
そして鉄と蒸気機関による新しい文明を築き上げました。
この第2次産業革命が英国から欧州へ、そして世界に広がりました。
これに対し、トフラーは「今後、いわゆる情報産業が発展し、情報化社会が来る。情報産業の時代だ」と訴えたのです。
Alvin Toffler
つまり「第3次産業革命」の到来を予測したわけですが、実は1980年代から40年経つ今でも、初期に考えられたような爆発的な第3次産業革命は起きていません。
確かに、コンピュータとテレコミュニケーション技術の発達で、人間の生活は格段に便利になったし、製造業の生産性も向上しました。
しかし第3次産業革命と言われるほどの、革命的なことは起きていないのです。
情報産業自体が大きな景気のエンジンとなり、経済全体を引っ張るところまではいかなかったわけです。
第2次産業革命では、石炭の熱を使った蒸気機関の革命が驚くべき効果をもたらしました。
やがて石炭から石油にエネルギー源が移ると、石油を燃やすことで、さらに大きな動力を得ることができました。
たとえば軍艦なども、石炭で動く船から重油で動くものに変わり、すべての動力源が変化しました。
ガソリン・エンジン、ジエット・エンジン、ロケット・エンジンが世界を一変させました。
燃料は石油からつくられ、その石油を基準に、第2次世界大戦後には石油化学産業という、まったく新しい産業が生まれたのです。
そういったところが経済の成長のエンジンになって、先進国の経済全体を引っ張ってきました。
しかし残念ながら、今までのところ、新しい経済成長の圧倒的エンジンという意味での情報産業は生まれませんでした。
情報産業が経済全体をぐいぐい引っ張っていくだけのパワーにはならなかったのです。
しかし2020年代に入り、いよいよそういう時代がやってきました。
革命によってトフラーが提唱した「第三の波」、そして、ダニエル・ベルが提唱した「ポスト・インダストリアル・ソサエティ」(脱工業化社会)、情報産業革命という、まったく新しい経済の世界が到来しつつあります。
ここで注目したいのが、「MAGA(メイク・グレート・アメリカ・アゲイン)」運動を唱える「民主的ナショナリスト」であるトランプ陣営に、イーロン・マスクや、副大統領候補としてJ・Dヴァンス上院議員などの「ペイパル・マフィア※」のメンバーが加わったことです。
ヴァンスは貧しい家から出て、苦学してイエール大学の大学院に入り、弁護士になり、シリコンバレーのベンチャーキャピタリストとして成功しました。
※ペイパルマフィア(PayPal Mafia)は、2002年のeBayによるPayPal買収以後、サービスやシステムを通じて社会あるいはビジネスを変動させた元PayPal出身者らのグループである。サービスにはYouTube、テスラ、LinkedIn、パランティア・テクノロジーズ、スペースX、Affirm、Slide、Kiva、Yelp及びYammerが含まれる。メンバーの多くは、研究のある時点においてスタンフォード大学やイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に通っていた。元PayPal社員の絆は退社後も強く残っており、ペイパルマフィアの「ドン」と呼ばれるペイパル創業者・元CEOのピーター・ティールは、旧社員の新ビジネスの立ち上げ時には必ずといっていいほど投資している。「PayPalの絆がビジネスを動かしてるんだよ」とマックス・レフチンはある雑誌にコメントしている。
James David Vance
では、なぜマスクやヴァンスがトランプ陣営に加わったのでしょうか?
それは、社会主義者カマラ・ハリスが大統領になったら、第3次産業革命が潰されてしまうからです。
情報革命である第3次産業革命には、経済の発展をもたらす自由な発想、それを支える自由なテクノロジーとイノベーションが不可欠です。
科学研究が自由に行うには、言論が自由である社会でなければ不可能です。
そのような社会の基盤の上に、科学者たちが新しい理論を発見し、技術者たちがそれを応用して新しい技術革新を起こす。
そして、それを支えるベンチャーキャピタリストがいて、資本市場があり、お金を集めて膨大な投資をすることで、新しい産業分野が開かれていく。
これが今、実現できるのは世界中で米国だけです。
残念ながら、日本や欧州には無理なのです。
あるいはチャイナとロシアとが一体になった「ブラジル、ロシア、インド、チャイナ、南アフリカを中心にイラン、エジプト、アラブ首長国連邦、エチオピアが加わった9カ国からなる国際会議)の国々でも不可能です。
というのも、科学と技術と資本を集積できる力が米国以外にないからです。
このテクノロジーを発展させられるだけの頭脳を世界中から集め、人間に役立つものをつくる技術を生むには、膨大な資本力が必要となります。
おそらく日本円で数十兆円単位の資金が必要になります。
それだけの資本を市場で集めて投入することができるのも米国だけなのです。
しかし、「社会主義的グローバリスト」のハリス政権だったら、そのような動きを徹底的に妨害します。
ハリスの背後の英国守旧派もこれを潰そうとするでしょう。
イーロン・マスクは、それでは第3次産業革命が潰されてしまうことに、いち早く気づいたわけです。
旧Twitter(X)の買収もそれが目的でしょう。
マスク氏はすでに、欧州のグローバリズム推進勢力に「X」を通じで口撃を開始しています。
そもそも社会主義はすべて統制主義です。
事実、ハリスは大統領選の公約で、増税、特に大企業に向けた法人税増税や金融取引税を打ち出しています。
こういった大規模な増税は、米国の経済力を衰えさせてしまいます。
それだけではありません。
かつてハリスは「企業が持っている特許はすべて国家が奪い取っていい」と公言したことがあります。
明らかに社会主義の発想です。
Kamala Devi Harris
その結果、自由な市場経済が機能しなくなり、第3次産業革命は頓挫することになるでしょう。
自由経済の米国が、統制経済のチャイナと同じような社会になったら、世界は真っ暗闇です。
第三の産業革命は不可能になるのです。
チャイナはテクノロジーを使うけれど、そのテクノロジーは西側から持ってきたものばかりであり、それによって国民を統制し、検閲、管理しています。
しかし、新しいイノベーションを生み出すことはできません。
言論の自由がなく、科学研究の自由もないからです。
だからこそ、マスクには、今回、トランプに勝ってもらわなければ、人類が挑んでいる第3次産業革命が潰されてしまうという危機感が強くあったわけです。
そして、その危機感がトランプ圧勝の大きな原動力になったのです。
今回の米大統領選は人類史的に格別な重要性があったと言っても過言ではありません。
トランプ勝利で、第3次産業革命が始まります。
世界に自由で民主的な国が増えていくのか、それとも不自由極まりない統制経済・統制国家の国が増えていくのか……。
人類が「自由か、隸属かを選ぶ大きな節目」にあった中で実施されたのが、2024年の米大統領選挙でした。
アメリカ国民は目覚め、人類は統制と隸属を廃し、自由と自立を選び、歩み出したのです。
このような深い視点に立った時、テレビや新聞で「専門家」と自称している人たちがどのような論調で喋っているかを見てみると、前述の表のどの勢力に与しているかが如実にわかります。
国民を豊かにしたい「民主的ナショナリスト」なのか、それとも自分たちだけが得するグローバリストなのかです。
あなたは、どの勢力に与しますか?
次はわたしたち「日本人」が目覚め、立ち上がる番です!
次回(最終回)の「2025年、世界はどう動くのか? Vol. 3」は、「〝キシバ政権〞では日本の景気は浮上しない」と題してお送りします。
Reference
1『藤井厳喜フォーキャスト2025』WAC BUNKO