社会
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人間が、人間らしく生きる環境
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人間が、人間らしく生きる環境
2019.06.14
赤池キョウコさんは、テレビのコメンテーターや各地でのご講演、数多くの著書など、各方面でご活躍のイラスト作家です。
ツキを呼ぶ幸せな生き方のコツや、人間関係をスムーズにするヒントなどを、独自の感性を生かしたイラストで提唱し、女性を中心に絶大な支持を得ている赤池さんですが、実は過去に難病を克服されています。
一生治らないといわれる難病を患った赤池さんが、長く苦しい闘病生活の中で発見したこと、それが「腸の大切さ」であったといいます。
本稿では、病を得、長い道のりを経てそれを克服されていく赤池さんの実体験が赤裸々に記されています。「
マイナス腸活の人」、赤池さんの実録です。
プロフィール
静岡県静岡市出身。編集記者を経た後、イラスト作家・フリー編集者に。2010~12年、家族に帯同しロンドン居住。現在静岡市在住。2003年コミック&エッセイ 「ハッピーな奇跡がやってくる!」(グラフ社)で、イラスト作家としてデビュー。ツキを呼ぶ幸せな生き方のコツや、人間関係をスムーズにするヒントなどを、独自の感性を生かしたイラストで提唱し、女性を中心に支持される。執筆・連載・講演・テレビ等、幅広く活躍中。
著 書
・「百匹目の猿現象を起こそう!」(サンマーク出版) 共著:船井幸雄氏 (船井総合研究所 名誉顧問)
・「船井幸雄の 超!若返りと健康のコツ」(グラフ社) 共著:船井幸雄氏
・「マンガで読む 船井幸雄のスピリチュアルな世界」(グラフ社)共著:船井幸雄氏
・「マンガで読む びっくり仰天!年金浪費」(グラフ社)共著:長妻昭氏(元:厚生労働大臣)
・「マンガで読む 船井幸雄のツキを呼ぶコツ」(グラフ社)共著:船井幸雄氏
・「快楽奇蹟従心開始!」(東販出版)「ハッピーな奇跡がやってくる!」※中国語版。
・「ハッピーな奇跡がやってくる!」(グラフ社)
・「ハッピーになるコツ見つけた!」(グラフ社)
・「かぞくみんなに『ありがとう!』」(公益財団法人モラロジー研究所)
・「マンガでわかる『西式甲田療法』」(マキノ出版)共著:甲田光雄医師 ※現在23刷
・「マンガで教えて安保教授 病気にならない免疫学」(マキノ出版)共著:安保徹医師
・「免疫力是全世界最強的医生」(三悦文化)「マンガで教えて安保教授 病気にならない免疫学」※中国語版
・「ヨーロッパ スピリチュアル街道を行く!」(サンマーク出版)2013年6月刊行
・「マンガでわかる 健康方程式」(MASブレーン出版)共著:井上敬 医師
・公益財団法人モラロジー研究所 月刊誌「れいろう」 (文部科学省所轄社会教育団体)
・月刊誌「ファミリス」連載中 (財団法人 静岡県出版文化会)
・月刊誌「ザ・フナイ」 連載中
・月刊誌「船井本舗」「赤池キョウコのマンガdeレポート! 」連載中
・静岡あさひテレビ 「とびっきり! しずおか」 レギュラーコメンテーター
・全国で講演活動 (自治体、団体、企業、学校、ライオンズクラブ等)
・ビジネススクール「ヒューマンアカデミー静岡校」 編集・イラスト・絵本講座講師
・静岡県庁、静岡市役所等、自治体でもイラスト採用
作家活動については各媒体でも紹介
赤池キョウコ(イラスト作家)
私はかつて、難病・奇病・慢性病と、3つの病気に悩まされていました。
どれも現代医学ではさじを投げられながらも、シンプルな食事、腸をきれいにする「マイナス栄養」に取り組んだところ、全て克服できたのです。
そこで本稿では、私の病気克服体験を紹介いたします。
そもそもこれら病気の始まりは、社会人1年目のことでした。
人間関係や仕事のストレスがある時一気に押し寄せ、半年ほど心身がすり減る日々を送りました。
やがてそれらの問題が一段落したある日、トイレで用を足した後ビックリ!血便が出たのです。
すぐに思ったのが「痔になっちゃった~!」。
無知と思いこみは恐ろしいもので、痔だと決めてかかり、当初は軟膏を使う日々。
でも治るはずがありません。
当時私は20代前半。
「オシリの病気」がとても恥ずかしく、人目のつきにくい小さな病院に行ったところ、なんとそこでも痔だと誤診されてしまったのです。
「痔は恥ずかしいけれど、今に治るよね」と、楽観視しながら日々を過ごしました。
ところがこの下血、年々悪化してきました。
当時、私は地元の情報紙で編集記者として働いていたのですが、腹痛や下痢、下血がひどくなり、取材も支障をきたすありさま。
出先でトイレに間に合わず、粗相したこともありました。
「これは絶対におかしい、痔じゃない!」と総合病院に駆け込み、大腸内視鏡検査をしたところ、下された診断は「潰瘍性大腸炎」。
しかも「一生治らない難病」。
当時私は28歳。
この先の長い人生を思い、絶望のあまり頭が真っ白。そしてそのまま緊急入院となったのです。
今でこそ、潰瘍性大腸炎はよく知られている疾患で、総理大臣の故安倍晋三さんもこの病気を持っています。
そして患者数は、全国で16万6000人以上と増加中。
特に若い世代に発症しやすい、自己免疫疾患の難病なのです。
私の場合、全大腸型の重症で、緊急的にステロイド剤を多く投与して重篤化を免れました。
ですが、当時はステロイドを長期的に飲まなくてはならず、私は途方にくれました。
「難病患者」という悲しさを抱えながらも、でもあきらめたくなくて、もがくようにあらゆる治療法を探し求めました。
そんな中、断食や少食で病気を改善させる「甲田医院」という個人病院の存在を知ったのです。
薬も何も使わず、食事で自然治癒力を高める、なんともシンプルな治療法に驚き、私は大阪へ向かいました。
「断食博士」の異名を持つ甲田光雄医師(故人)は、小柄でやせ型の、僧侶のようなお医者様でした。
ですが、当時70代の先生の髪は真っ黒!背後から見れば高校球児と思えるほどです。
さらに、生命力にあふれた眼力の強さ。
「この先生は自らも少食・断食を実践し、このお姿なんだ。これは本物だ!」と、私は直感したのです。
「先生の指導に従って、絶対にこの難病を治すぞ!」。
とはいえ、じつは私はとても食いしん坊でした。
特に、お菓子や甘いパンなどのコンビニ系。
甲田先生に言わせると、大食いの人ほど病気になりやすく、逆に食生活を変えて少食になれば、自然と体調は良くなるというのです。
最初は、まじめに食事療法を行いました。
朝食は手作りの野菜ジュースのみ。
お昼は玄米のおかゆ、豆腐など。
本当に粗食です。
こんなので治るの?と半身半疑でしたが、もう私には逃げ道がありません。
なのに、体調がいいとすぐ口寂しくなり、食事も脱線ばかり。
潰瘍性大腸炎も「低め安定」だし、まあいっか。
入院時の辛さは忘れ、目先の美味に誘惑されてばかりでした。
…お恥ずかしい。
ところが、そんなズボラさからか、今度は奇病に見舞われたのです。
それはある日突然起こりました。
毎日異常なほどに髪が抜け始めたのです。
シャンプーをすれば、排水溝がつまるほど頭髪が抜け、朝起きれば枕に髪の毛がごっそり。
最終的には眉毛、まつ毛、鼻毛、体毛…体中のすべての毛が抜け落ちたのです。
潰瘍性大腸炎だけでも困るのに、さらに原因不明の全身脱毛症になり、発狂しそうな恐怖でした。
そんな時、甲田医師に尋ねると「腸が悪いのは万病の元。
アレルギーや脱毛症、他の病気にもなるのや」と一喝。
私はそこでやっと納得できたのです。
私は腸の病気をおざなりにしていました。
そのツケが、今度は脱毛症に出たのだと。
この頃便秘もザラでした。
そこで再び気持ちを入れ替えて、少食とプチ断食生活を再開したのです。
やはり女性ですから、さすがに髪の毛がないのは辛く、重い腰を上げて少食に励み、時々断食も行いました。
少食や断食をすることで腸を休め、老廃物を排出し、自分の中の治癒力向上に期待しました。
これぞ「マイナス栄養」。
ただ、「断食」といっても一切食べないわけではありません。
野菜ジュースと水分を数日間飲んだり、時にはリンゴだけ、寒天だけ…と、さまざまな方法があるので、飽きることはありませんでした。
スイマグも併用し、腸内をよりきれいにするようにしました。
ですが、問題は家族の食事でした。
周囲を振り回すわけにはいかないので、夫の朝食やお弁当は普通に作り、肉料理や洋食も食卓に上りました。
しかし、空腹時に目の前にある食事は、悪魔のように魅力的。
どうしても食いしん坊の悪い癖が抜けず、つまみ食いと称してかなり食べたり、また、我慢の反動からドカ食いして落ち込んだり…なんてこともしばしばでした。
そして、変化は完全脱毛の約1年半後に起こりました。
なんと、輝くほどのみごとなツルツル頭に、うぶ毛がチョロンと生えてきたのです!
これには泣けるほど感激しました。
「まだ私には、髪が生えるチカラがあるんだ!」。
こうなると、少食や断食も俄然チカラが入ります。
そして2年近くかかり、無事に髪や眉毛が生えそろいました。
さらに、嬉しい変化もありました。
前述の潰瘍性大腸炎です。
髪が生え始めた頃、長年通院している総合病院で、大腸内視鏡検査を受けたところ、主治医が驚きの声を上げたのです。
「赤池さん、ポリープと炎症が消えている!」
私の大腸には、前年まで炎症性ポリープが十数個もあったのですが、それらが見事に消えていたのです。
この頃は潰瘍性大腸炎による下血はすっかり治まり、薬もほとんど飲んでいませんでした。
その後も症状は一切出なかったため、私は難病の更新手続きを中止することができたのです。
そのほかにもむくみや、足のアテローム(粉瘤)も消えました。
さらに慢性病の花粉症まで治ってしまったのです。
病気克服の喜びと共に、改めて少食と断食の「マイナス栄養」のすごさを実感しました。
このように、少食と断食で複数の疾患から卒業できた私ですが、今振り返ると、この病気になってよかった、と改めて思います。
病気になったことで仕事を辞めたり寝込んだり、辛いこともありましたが、自分自身を反省したり、周りの優しさや健康のありがたみに気づかされたりしました。
潰瘍性大腸炎で入院し、退院直後は歩くのもやっとだったのに、今では元気に動けて、海外でも一人で取材旅行に飛び回れるほどです。
本当にありがたいです。
また、眉毛やまつ毛が戻り、毎日メイクができることも嬉しいのです。
女性なら当然の事でしょうが、私にとってはすべてが感謝なのです。
私の場合、一度痛い目に遭わないと、こういう感謝の心を理解できなかったので、神様が試練として与えてくださったのかもしれません。
病気というと、100%悪くとらえがちですが、多方向から見れば、気づかされたり反省もあったり、悪いことばかりじゃないと思えるようになりました。
とはいえ、やはり健康なほうがいいですよね。
ですから病気になる前に、また病気があっても、「マイナス栄養」の生活をしていくことは大切だとつくづく感じています。
最後に、私は2009年に甲田光雄医師と共著で「マンガでわかる『西式甲田療法』」(マキノ出版)という本を出しました。
すでに初版から10年以上経ちますが、いまだにロングセラーで売れ続けています。
健康関連の書籍は数多く出版されていますが、これだけ息の長い本は珍しいそうです。
きっとその背景には、この飽食の時代、多くの方が少食やプチ断食など、「マイナス栄養」に関心を持っておられるからだと思います。
天国の甲田先生も喜んでおられることでしょう。
私は甲田先生の患者の中でもずば抜けた劣等生です。
相変わらずズボラで脱線しがちですが、「マイナス栄養」生活は、今後もゆるいながらもあきらめずに続けて参ります。