栄養

Nutrition

あなたは、あなたが食べてきたそのものです

3.30 消化管全体を視野に入れた統合的アプローチ —— 胃腸を軸とした「治る体づくり」のために

2026.02.20

⑴ 消化管は「栄養と免疫の司令塔」

消化管は、食物の消化・吸収という生理的役割を超えて、全身の免疫・代謝・神経系にまで影響を及ぼす重要な臓器系です。

口腔から肛門に至るまでの「ひとつづきの管」として連携して働くこのシステムは、栄養摂取の起点であると同時に、体内と外界を隔てる最前線でもあります。

この「管」は、単なる臓器の集合ではなく、腸内細菌・免疫細胞・神経ネットワーク・ホルモン受容体が複雑に連携するインテリジェントなバリアシステムです。

よって、局所の治療だけでなく、消化管全体の統合的な視点が必要不可欠です。

Gastrointestinal tract, liver, stomach and other surrounding organs

⑵ 修復と再構築のキーワード

胃や腸の疾患に対して「痛みを取る」「炎症を抑える」といった対症療法だけでなく、以下の4つの観点から根本的な体質改善を図ることが求められます。

 

① 微生物との共生の再設計

腸内細菌叢(マイクロバイオーム)のバランスを整えることは、栄養吸収・免疫寛容・神経伝達にまで影響します。

プレバイオティクス・プロバイオティクス・ポストバイオティクスを駆使した個別化腸内環境デザインが重要です。

 

② 消化・吸収機能の回復

酵素や胆汁の分泌不全、小腸のバリア機能低下、胃酸分泌低下(アチロリディア)などは、慢性栄養不良やアレルギー疾患の引き金になります。

ナイアシン、亜鉛、ビタミンB群、グルタミンなどを使った機能性栄養療法が有効です。

③ 栄養欠乏の連鎖の遮断

潰瘍・慢性炎症・過敏性腸症候群では、鉄・ビタミンB12・マグネシウム・脂溶性ビタミンの欠乏が連鎖的に起こりやすく、神経症状や免疫低下に波及します。

隠れた欠乏をラボ評価と照合しつつ補完していくことが重要です。

④ 生活習慣とストレスの同時介入

夜間の食事、慢性的な睡眠不足、精神的ストレスは、胃腸の自律神経バランスを著しく乱します。

食事だけでなく、睡眠衛生、リズム運動、マインドフルネスなど、「腸脳相関」を意識した包括的な生活改善が必要です。

Human Digestive System Anatomy. 3D

⑶ 消化管は「治る力」の源泉

消化管は、全身の恒常性を支える最前線の臓器ネットワークです。

その健全性こそが、アレルギー・自己免疫疾患・精神疾患・代謝疾患に至るまで、全身の回復力に直結します。

だからこそ、わたしたちは、

〝腸内を衛生的に保つこと〞

〝腸を整えること〞

を一過性の健康法ではなく、根本から「治る体」に戻す本質的なアプローチとして位置づけるべきなのです。

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