栄養
Nutrition
あなたは、あなたが食べてきたそのものです
Nutrition
あなたは、あなたが食べてきたそのものです
2026.02.06
ナイアシン(ビタミンB₃)は、ニコチン酸(niacin)およびそのアミド型であるニコチンアミド(niacinamide)を含む水溶性ビタミンで、細胞内のエネルギー産生に不可欠な補酵素(NAD⁺、NADP⁺)の構成要素です。
体内での主な機能は、酸化還元反応の補助、DNA修復、抗炎症作用などが挙げられます[1]。

Niacin and niacinamide molecular formula.
ナイアシンが欠乏すると、「ペラグラ(pellagra)」と呼ばれる疾患を引き起こします。
これは「3D症状(Dermatitis, Diarrhea, Dementia)」として知られ、皮膚炎・下痢・認知障害を特徴とします[2]。
特に下痢(diarrhea)や口内炎、舌炎、胃腸の不快感は、ナイアシン欠乏症の初期にみられる消化器症状です。
ナイアシンは胃粘膜や小腸上皮の再生に必要なNAD⁺の供給源であるため、欠乏時には腸粘膜が脆弱になり、栄養吸収の効率が低下すると考えられています[3]。

Small intestine. Cross section of human intestinal jejunum.
ナイアシンには、胃や腸の粘膜保護作用や抗炎症作用があり、以下のような疾患に対して予防的または治療的な可能性が示されています。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍 粘膜修復促進、抗炎症作用、酸化ストレス低減[4]
過敏性腸症候群(IBS) 抗炎症作用と神経伝達調整による症状緩和の可能性[5]
炎症性腸疾患(IBD) NAD⁺レベルの上昇による細胞再生と免疫調整[6]
アルコール性胃炎 アセトアルデヒドの代謝を促進し、粘膜へのダメージを軽減[7]
また、ナイアシンには腸管バリア機能の強化作用も報告されており、リーキーガット症候群の予防や改善にも寄与する可能性が示唆されています[8]。

ナイアシンは高用量で使用されることもありますが、その際には副作用として「ナイアシンフラッシュ(皮膚の紅潮)」や肝機能障害などが起こり得るため、高用量使用には医師の指導が必要です。
とくに肝臓に負荷がかかっている場合 ―― 愛飲家や医薬品を服用されている方など ―― には、ナイアシンアミド型の使用がより適切とされています。

References
トップへ戻る