栄養
Nutrition
あなたは、あなたが食べてきたそのものです
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あなたは、あなたが食べてきたそのものです
2024.08.30
弊社は「マイナス腸活」、つまり少食や大腸のおそうじを提唱していますが、「プラス腸活」である食べものは重要です。
不食の人・森美智代さんのように「食べない」で生活できる人はそうそういないでしょうから、何を食べるかは、美容や健康に大きく影響します。
草食の日本人としては、お米、野菜ですね。
そして、タンパク源であるタマゴ。
それらの食べ物の「質」が重要になってきます。
今回は弊社ともご縁のある「安全な食べものネットワーク・オルター」の代表・西川榮郎(にしかわひでお)さんの解説から、市販のお米、野菜、タマゴの問題点についてみていきたいと思います。
輸入米はポストハーベスト農薬の汚染がありますから論外ですが、国内産の米でも(野菜や果物に比べればまだましとはいえ)アトピーや化学物質過敏症の人には、症状が出ることがあります。
兵庫県のある農協の米倉庫が空になったとき掃除をした職員が、その直後から発熱し、数日後に亡くなった事故がありました。
古米処理に使っていた臭化メチルが原因で、ホコリに吸着していた臭素化合物による事故だと考えられています。
国内での米の流通において、たとえば「魚沼産コシヒカリ」の袋に他産地のお米を混ぜることが平然と行われています。
あらかじめ様々な銘柄を印刷した袋が自由に手に入るのです。
ポストハーベスト農薬のきついカリフォルニア産ジャポニカ種の米、カドミウム汚染米、ゴミ焼却炉周辺のダイオキシン汚染米、古米もどこでコンマイされているかわかったものではありません。
さらに、遺伝子組み換え技術(GMO)も米を狙っているようです。
農家と直接取引する以外には、まずまともなお米が食べられない状況です。
最近スーパーなどで、実際はごく普通に農薬・化学肥料を使った「慣行栽培レベルの米」が「特別栽培米」として売られています。
そのカラクリは、そもそも農協の防除指針では何回も必要以上に農薬をかけることになっているのに対して、農家の実態が昔のように農薬をかけなくなり、4回程度で済ませるからです。
すなわち、防除指針の半分以下だから特別栽培だ、というわけです。
なかには、古米までブレンドしている粗悪な「特別栽培米」まであります。
高い価格で売られている「胚芽米」にも用心が必要です。
無農薬でなければ胚芽には、農薬が残留しやすいからです。
また、胚芽米は開封後数日で酸化するため、胚芽を食べたい人は家庭用精米機で分つき米を利用した方が安くて安全です。
一般的な市販の野菜は、収量を上げる目的で化学肥料を使っています。
そのため、亜硝酸態窒素が多く含まれています。
たとえ有機質肥料を使う場合でも、施肥量が多い場合は、やはり亜硝酸態窒素の問題が起こります。
この亜硝酸態窒素は、アクとして苦味・エグ味・渋味など、不味さの原因となるだけでなく、その成分は血液中のヘモグロビンを破壊するため貧血の原因ともなっています。
また電子レンジでの加熱(マイクロ波による振動)や口で咀嚼する段階で、タンパク質と結合してジメチルニトロソアミンなど発ガン物質の発生の原因ともなります。
このアクの多い分、栄養価が少なく、国が行う日本食品標準成分表の調査でここ20数年、日本の野菜の栄養価が激減している原因となっています。
ゆがくとこのアクが煮汁に逃げ出して、野菜はペシャンコのカサとなり、結局は割高な野菜となってしまいます。
化学肥料を使えば、作物も土壌も病弱となり、その結果が農薬使用につながります。
出荷直前まで農薬を使用しているケースもあり、最近では海外からポストハーベスト農薬が使われた野菜・果物までが続々とスーパーなどに登場してきています。
市販の野菜には国の基準(その基準はアメリカに配慮して大甘)を超える農薬が残留しているものが珍しくありません。
また有機と表示されていても、偽りのケースもあります。
無農薬・有機栽培はその前提として、まず「顔の見える関係=提携」そして「情報公開」が必要です。
防虫対策に木酢液(もくさくえき)を使う農家が増えていますが、その木酢液の原料に注意が必要です。
なぜなら、建築廃材の捨て場に困った業者が、炭や木酢液ブームに目をつけ、建築廃材を炭や木酢液にして安く売っているからです。
建築材などには、シロアリ用のヒ素が使われているものがあり、そのヒ素が木酢液に含まれています。
市販のタマゴの多くは、餌がトウモロコシやマイロ(モロコシ〈蜀黍〉とも呼ばれる穀物の仲間)です。
ポストハーベスト農薬、スターリンクなど害虫抵抗性遺伝子組換えトウモロコシの問題があります。
植物性油カスは、n-ヘキサン抽出大豆油カス、菜種カス、グルテンミール、米ヌカ油カスなどですが、これらによる精神病、ガン、心臓病の問題が指摘されています。
動物性飼料としてチキンミール、フェザーミール、ミートボンミール、骨粉、血粉(エサ、飼育方法、添加物などの問題)、魚粉(酸化防止剤などの添加物)が使われています。
闇取引されている狂牛病問題の動物性飼料も心配です。
その他、動物性油脂、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどを添加しています。
このようにポストハーベスト農薬や成長ホルモン、黄体ホルモン、卵黄着色剤、鶏糞防虫のための合成抗菌剤、抗酸化剤、合成アミノ酸、合成ビタミンなど飼料添加物だらけの配合飼料なのです。
また飼育環境は、ケージの列を数段にも重ね、餌はこの配合飼料を自動的に供給しています。
狭いケージ内には2〜3羽が押し込められて、身動きできないストレス状態でひたすらタマゴを生まされています。
いつも悪臭が立ち込める中で、健康な鶏であるわけがありません。
そして不衛生やストレスによって起こる病気は、ワクチンや抗生物質、ニトロフラン剤、抗コクシジウム剤、サルファ剤など動物医薬品を使って対処するわけです。
当然ながら、サルモネラ菌の潜在的危険性をいつも抱えていることになります。
出荷に際しては、黄身2つのタマゴや血液が混じったタマゴは検卵していますが、同時にキレイに見せるために合成洗剤を使って洗卵し、本来あるタマゴの保護バリア(クチクラ層)を除去してしまい、腐りやすく、中毒になりやすいタマゴが生産されています。
ポイントは、のびのびとした鶏舎で、健康的な餌を与えられ、平飼いされた鶏のタマゴですね。
私事で恐縮ですが、筆者には子どもが3人おりますが、皆、東京生まれ横浜育ちで、成人して現在も東京暮らしです。
奥さんはいませんので、両親が他界した後は「おひとりさま」が確定しています。
日々の食事も、自分でなんとかしなければなりません。
手間暇かけずに、安全で美味しいお米、野菜、味噌汁で「一汁一菜」がいいですね。
一方では、超加工食品などの不健康食には注意が必要です。
土井善晴氏の『一汁一菜でよいという提案』(新潮文庫)に関する記事もこちらからご覧いただけます。
『ULTRA-PROCESSED FOOD(超加工食品)』
https://minus-chokaz.jp/health_care/2972/
近年では、化学物質過敏症や原因不明の体調不良が急増しているようです。
健康の基本は「食べもの」と「排泄」「睡眠」そして「運動」です。
安全な食べものをお探しなら、こちらの「オルター」を覗いてみてください。
安全な食べものネットワーク オルター
筆者はオルターで紹介されている「ライスロッヂ大潟」の世界一厳しい栽培基準の「提携米(品種は、あきたこまち)」を食べています。
美味しいですよ!
日本政府の農政は、アメリカの言いなりの目を覆いたくなるようなものですが、ここ大潟村でもとんでもない事態が起こっていました。
秋田県大潟村
秋田県大潟村は農水省直轄事業として八郎潟の水を抜いた湖底の村です。
有機物が堆積した土壌です。
政府の呼びかけに全国から580戸に入植者が応募しました。
ここの田んぼは表面20cmは固いが、その下は指一本で竿がすんなり入るほど柔らかい豆腐状の底無し沼になっていて、重たいトラクターがそのままぬかるみに沈んでしまうような、米以外には適した作物はほとんどない農地です。
その米しか獲れないような農地に借金して入植した農家に対して、1975年、政府は一転して減反政策を打ち出し、「米を作るな」と言い出しました。
これに反発した農家は、米を自力で直接消費者に届けること、つまり「ヤミ米」を始めざるを得なくなったのです。
すると秋田県警は機動隊で村を100日間にわたって封鎖し、それを弾圧しました。
県、農協も一体となった農家いじめが行われ、学校や結婚で子どもが嫌がらせを受けるというありさまでした。
オルターの西川さんたちと彼らの出会いは1986年、東京で行われた消費者主催の減反やお米を考える集会でした。
そこで涙ながらに窮状を訴える農民の姿に、西川さんをはじめ全国の消費者団体が立ち上がったのです。
そして減反に反対して「日本の水田を守る基金」を募り、その協力者へは生産者からお礼のお米を届ける、という食管法の下での正当で合法な奇策を展開したのです。
この活動が後に「提携米」の運動に発展し、当然、農薬や化学肥料をできるだけ使わない安心できる米づくりにも力を入れるようになりました。
提携米の運動は、これに恐れをなした政府に特別栽培米制度を策定させました。
また、大潟村のゴルフ場を止めさせる(ゴルフ場は農薬汚染が大きい)など、環境を守る取り組みにもつながってきたのです。
この活動は、更に認証時代を迎えて、世界一厳しい栽培基準である「提携米栽培基準」の認定の中心的な役割を果たしました。
筆者が購入しているライスロッヂの黒瀬正さんは、これら大潟村の運動の中心を担ってきた方です。
黒瀬さんは滋賀県の典型的な米作農家の長男として育ち、滋賀県庁の職員として農政に携わった後、1975年に第5次入植組として大潟村に移り住みました。
入植の動機は、①一度は「農業での自活は無理」と考えて公務員になったものの、やはり米づくりがしたかったこと②大潟村の荒野に魅せられたこと③自ら農家の手本となり日本の農政を変えたい、ということでした。
今の農民の態度は、檻の中に入って、もっと保護して欲しいと政府に頼っているようなもの。
そうではなくて、もっと自立すべき。
農家は明るく、楽しく、自己責任で。
これが黒瀬さんのモットーです。
ライスロッヂ(無料宿泊所)を設け、消費者との交流を図ったり、ブナの植林を通じ「農薬は水を汚す」ということを、上流域の農民にもアピールされています。
Notes
『あなたのいのちを守る安全な食べもの百科・食は「いのち」偽装などもってのほか』
安全な食べものネットワーク オルタ代表西川栄郎氏の解説より引用
西川榮郎(にしかわひでお)
1947年、大阪市生まれ。立命館大学大学院理工学研究科修士課程修了後、大鵬薬品工業中央研究所主任研究員として、制癌剤の開発研究に携わる。大阪大学医学部胸部外科で「癌と免疫」を研究。1976年、安全な食べものの共同講入運動「徳島暮らしをよくする会」を創設。ロングライフミルク追放、パスチャライズ牛乳実現、市民運動サミット「ばななぼうと」を主催。脱原発、薬害告発、農薬空中散布中止など、「いのち・自然・くらし」を守る幅広い運動に取り組んできた。現在、安全な食べものネットワークオルター代表として、安全な食材開発の最先端にいる。癌、アトピー、精神疾患などの代替医療にも取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)