人体
Human body
大自然の叡智の結晶・人体
Human body
大自然の叡智の結晶・人体
2022.04.07
2014年に新たに『難病の患者に対する法律(難病法)』が成立し、翌2015年1月1日から施行されました。
難病法では、医療費の助成対象となる疾患を「指定難病」といい、330疾患が指定されています。
難病ではない難病がたくさん、難病指定に入っています。
難病は、治らないから難病ということになっていますが、治る病気がたくさん指定難病になっています。
病気の原因に誤解があるから治せないだけなのです。
これは、安保免疫理論で著名な新潟大学の安保徹名誉教授の言葉です。
医学にかぎらず、問題を解決するための第一条件は、その問題が起こった「原因」を知ることにあります。
ということで、今回のテーマは「心臓」です。
心臓を健康に保ったり、不調を改善するためには、心臓が何をしているのかを理解することが重要ですね。
現代医学では、心臓病の患者に強心剤を処方します。
弱った心臓の拍動を強心剤で強化しようとする処置ですが、これは血液循環の原動力を心臓だとみなしていることの証左と言えます。
つまり、心臓がポンプで血液を押し出すとする「心臓ポンプ説」に基づいているということです。
この心臓ポンプ説は、17世紀(1628年)にイギリスの解剖学者で医師のウィリアム・ハーヴィーの心臓原動力説によるもので、今日では医師をはじめ、一般の常識となっています。
一方、この心臓ポンプ説に疑問を持ったのが西勝造で、次のような疑問があげられています。
1. 心臓を持たない動物の血液循環は、何によって行われるのか。
2. 水の4、5倍もの粘着力のある血液が、わずか握り拳大の心臓の、そのまた4分の1の左心室の収縮力によって、直径0.005ミリほどの、全身で約50億本もの毛細血管を22秒間で循環するというのは、水力学的に考えられない。
3. 腹部のほとんどの消化器から集まってくる静脈は合流して門脈になり、肝臓に入るのだが、門脈のこの血液輸送の力は何によるのか。
4. 死体を解剖すると動脈は空っぽである。
もし心臓に血液循環の原動力があって、心臓のポンプ作用で血液が循環するのだとすれば、心臓が止まったときには、動脈の中に血液が溜まっていなければならないはずだ。
ところが空っぽだということはどういうことなのか。
そこで西勝造は、以下のように考えたのです。
例え心臓が止まっても、しばらくの間は細胞が生きているのであり、細胞は血液を要求する。
細胞に血液を供給するのは毛細血管であり、血液を引っぱる力は毛細血管の毛細管現象である。
それが動脈から血液を吸いとってしまうのであり、つまり、血液循環の原動力は毛細血管にある。
心臓は血液循環を調節する「タンク」だと考えると、すべての矛盾は解消します。
となれば、心臓ポンプ説派は次のように反論するでしょう。
毛細血管が収縮した際に、小動脈管内の血液はどうなるのか?収縮した毛細血管にさえぎられ、行き場に困るのではないか。
そのために心臓にショックを起こすのではないか、と…。
しかし、人体は大変巧妙にできています。毛細血管一本につき必ず一本の「グローミュー」というバイパスが付いているのです。
えっ、グローミュー?
聞いたことないなぁ…と思いましたよね⁉︎
実はこのグローミューは、あなたの健康の鍵を握っている重要な器官なのです。
次回は、このグローミューについてみていきましょう。