人体

Human body

大自然の叡智の結晶・人体

モチリンが蠕動運動を促す

2022.03.31

三保製薬研究所のお客さま相談室には、健康に関する様々なご相談が寄せられます。

お客さまのお話しを伺っていると、「朝食を摂ることで便意がもよおされる」と思っていらっしゃる方が案外多くいると感じます。

実際にそのように指導される、医師や栄養学の専門家もいるようです。

朝起き抜けに白湯や生水などを飲んだり、朝食を摂ると腸が強く蠕動(ぜんどう)します。

これを「大蠕動」といいますが、通常は1日に1回起こるといわれています。

そしてこの機を逃さずトイレに駆け込めば、スッキリと排泄できるわけです。

Hirschsprung’s disease is a birth defect (nerves are missing from parts of the intestine). Constipation. illustration represent the human intestine (large and small). diagram for biology, scientific,

参考:ヒルシュスプルング病(全結腸型又は小腸型 / 指定難病291)は、消化管の蠕動の役割を果たすために必要な神経細胞が、肛門から連続して欠如するために、その範囲の消化管の運動がおこらず、腸閉塞をきたす病気です。

 

健康で腸の動きが健全な人の場合は、食物でなくとも、例えば水を飲んだだけでも蠕動運動が促されます。

これは「胃結腸反射」によるという生理現象ですが、

胃腸が健康な人の中には、朝起きたらすぐに便意をもよおすという人もいます。

ところが、腸の動きが弱い人や、慢性的な便秘状態の人(現代人のほとんどがこの状態です)は、なかなかそうはいきません。

良かれと思って食べた朝食が仇となり、益々腸に食べたものが堆積して詰まってしまうのです。

では、そういう人はどうしたらいいのか? 

断食博士甲田光雄は、常々次のように言っていました。

 

 

排便がないのに食べるから、なお便は出なくなります。

朝、排便がなければ、出るまで食べなければよいのです。

そうすれば、やがて便意をもよおします。

 

何故なのか?

甲田医師はその科学的根拠として、消化管ホルモンの「モチリン」のふるまいにあると説明しています。

モチリンは、1971年にカナダの生物学者ジョン・C・ブラウン博士によって発見されたホルモンです。

わたしたちヒトの消化管は、空腹になると胃に収縮運動が起こり、小腸でも次々に収縮、つまり蠕動運動が起こります。

この運動によって食べたものを、下へ下へと運んでいきます。

これが繰り返されると、胃や小腸の中は空っぽになるというわけです。

この蠕動運動を促すのがモチリンで、この分泌がピークに達すると、お腹が「グーッ」と鳴るのですが、人に聞かれるとちょっと恥ずかしいですよね。

しかし、そんなときはこう言ってください。

 

おっ!お腹の大掃除がはじまった。

これで内側からキレイになるんですよ!

 

モチリンのメカニズムを日本で最初に研究し、明らかにしたのが群馬大学の伊藤漸(すすむ)教授です。

伊藤教授はモチリンのメカニズムを内視鏡で確認し、次のように述べています。

 

① モチリンは通常、若い世代では空腹時間が6時間くらいつづくと分泌され始めるが、普通は7〜8時間くらいかかる。

② 歳をとるにつれ、分泌に要する時間がかかるようになる。

③ 食事の量が多いと分泌されるまでの時間が長くかかる。

④ モチリンの分泌は90〜120分の間隔で高まり、収縮が起こる。

⑤ すると、グーッと鳴りお腹が空くが、しばらくすると血中のモチリンが減少するため、空腹感は消えていく。

 

いかがでしたか?

甲田医師が「食べすぎるから便秘になる」と言っていた理由がこれでお分かりになったと思います。

生涯の心身の美と健康を志す人にとって、1日2食習慣はもはや常識ですね。

もちろん、排便の回数を問わず「便やオナラに悪臭・腐敗臭」のある人にとっても必須の生活習慣ですよ!

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