人体
Human body
大自然の叡智の結晶・人体
Human body
大自然の叡智の結晶・人体
2024.01.26
現代の標準医学には、数え切れないくらいの病名がありますが(現在、WHOは約18,000種類を「病気」として登録しています。※2019年採択:ICD-11)、世界中のほとんどの人が〞〝同じ道を辿って〞亡くなっています。
つまり「心血管疾患(心不全)」「ガン(悪性新生物腫瘍)」「脳血管疾患(脳卒中)」ですが、これらの疾患が発症する原因は不明とされています。
しかし〝自然界に、原因のない結果は存在しない〞わけですから、病気を引き起こす原因は必ず存在します。
では現代医学とは対照的な健康医学では、どのように考えているのでしょうか?
実は、健康医学(代替医療)を実践する自然療法医の間では、病気の原因は一つだと考えられています。
つまりそれが「アシドーシス(Acidosis)=酸化ストレス・炎症体質」です。
人間の細胞のエネルギーの発電所となる部分は細胞内の小器官ミトコンドリアです。
ミトコンドリアは、細胞が使うエネルギーを生み出しています。
わたしたちが「エネルギー」と呼ぶものは、〝細胞呼吸の酸化的減少〞に由来しています。
これは、ミトコンドリアを通して行われます。
つまり、体内が「酸化」することで、人によって様々な病態が発現すると考えられているのです。
西医学健康法も同様に〝体内の酸とアルカリの平衡(中和)を保つ〞ことが健康の条件として重要視されています。
体内では様々な要因で「フリーラジカル(活性酸素)」が発生しますが、この活性酸素が細胞内の「ミトコンドリア」 などの小器官を傷つけ、その細胞機能を阻害・障害するのです。
では美容や老化の大敵といわれる活性酸素(フリーラジカル)は、どんなときに発生するのでしょうか。
実は活性酸素は、「呼吸をする」「食事をとる」「運動をする」など、ごく普通の生活をしているときに発生します。
酸素を取り込み、エネルギーを得る過程で必ず発生するからです。
そのほか、白血球が細菌を殺傷するとき、生理活性物質が作られるとき、有害物質(腸内腐敗・酸性腐敗便、過酸化脂質、残留農薬、食品添加物、抗がん剤、アルコール、タバコ、大気汚染物質、など)を解毒するとき、止まっていた血液が再び流れ出すとき(再灌流)、紫外線や電磁波(レントゲンなど)を受けたとき、強い精神的ストレスを受けたときなど、さまざまな要因により発生します。
体には発生した活性酸素を除去する機能が備わっており、通常は活性酸素が生成されるとただちに除去されます。
ところが、何らかの原因によりバランスが崩れて活性酸素が過剰に発生すると、除去できない事態に陥ります。
慢性便秘症の人は、常に体内が酸性に傾いている状態です。
このようにバランスが崩れて活性酸素が発生しやすくなり、それが身体の組織を傷つけて機能障害を起こしやすい状態を「酸化ストレス」といいます。
活性酸素を除去する能力(抗酸化作用)は、加齢とともに減少していきます。
抗酸化酵素の活性は20代をピークに40代より低下が顕著になり、50代では最大時の50%、70代では10%程度にまで抗酸化酵素の活性が低下するといわれています。
ただし、50代以降は生活習憤の違いにより非常に大きな個人差が生じる点は見逃せません。
また、肉食などの動物性タンパク質やファストフードなどの高脂肪・高タンパク質食品に偏った食生活をつづけると、カロリーの摂り過ぎとあいまって、「SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)」や「GPO(グルタチオンペルオキシターゼ)」「カタラーゼ」といった抗酸化酵素の活性に必要不可欠なマグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、セレンなどのミネラル元素の不足を引き起こします。
結果、活性酸素の発生が抗酸化作用より常に優位な状態、いわゆる「酸化ストレス」 になります。
前述の通り、人間の細胞のエネルギーの発電所となる部分はミトコンドリアです。
ミトコンドリアは、細胞が使うエネルギーを生み出しています。
わたしたちが「エネルギー」と呼ぶものは、細胞呼吸の酸化的減少に由来しています。これは、ミトコンドリアを通して行われます。
しかし、細胞がカルシウムに比べて、マグネシウムが少ないと問題が生じます。
細胞の「エネルギー通貨」であるアデノシン三リン酸は、マグネシウムに依存しているからです。
これは、細胞膜のカルシウム排出も、マグネシウムに依存していることが、明らかであることを意味しています。
充分な「生物学的に利用可能」なマグネシウムがなければ、細胞のカルシウム排出は、速度を落とします。
このようにして、悪循環は確立されます。
低レベルのマグネシウムは、エネルギーの産生を抑制し、低レベルのエネルギーはカルシウム排出を抑制します。
その結果、細胞の動力源であるミトコンドリアが、石灰化してしまうのです。
そうです、これが老化の始まりです。
ミトコンドリアが石灰化すると、体のあらゆる機能が阻止されるのです。
エネルギーが無ければ、体はどんどん衰え、疲れを感じ、気力も失せていきます。
そして人によって弱っていた部位に、何らかの病態が発現するのです。
偏食や過食は活性酸素の発生を加速し、糖尿病のみならず、ガンや認知症などの疾患にも悪影響を及ぼします。
カロリーの摂り過ぎは活性酸素の発生量を増加させ、逆にカロリーを制限することは活性酸素の発生を減少させ、老化の進行を抑制します。
とはいえ、カロリー制限を永遠に継続することはできません。
偏食と過食を避け、効率のよい食事法(朝食抜きの1日2食)を実践してください。
「酸化ストレス・炎症体質」の原因となる活性酸素は、有害物質を解毒するときにも発生します。
その中身について具体的に見ていくことにしましょう。
食品に含まれている残留性の高い有害物質には、PCB、DDT、ダイオキシン類、メチル 水銀、カドミウムなどの環境汚染物質があります。
これらはごく少量とったからといって、ただちに症状があらわれるわけではありません。
しかし、一旦摂取されると解毒代謝されることがなく、体の中に長期にわたって蓄積されます。
蓄積された有害物質は、コップの水のように、限界(閾値)を超えてあふれたところで症状となってあらわれます。
このように、すぐに病気になるわけではないので因果関係を正確に知ることがとても難しく、多くの場合「遺伝的体質」や「原因不明」の病気として扱われることになります。
メチル水銀を原因とする水俣病、カドミウムが原因のイタイイタイ病などがその例です。
これらの環境汚染物質は化学的に安定しているため、自然界で分解・浄化されることがなく、植物やプランクトンなどの食物連鎖を通じて濃縮されていきます。
食物連鎖が一段階上がるごとに10倍に濃縮されるのです。
たとえば、わずかな有害物賀を含むプランクトンを食べた小魚は、プランクトンの10倍の有害物質を含むようになり、その小魚を食べたイワシはその10倍、そのイワシを食べたブリはその10倍というふうに濃度が高くなるのです。
食物連鎖の最上位に位置する私たち人間は、一体何倍の有害物質を摂ることになるのでしょうか?
日本では、環境汚染や公害はすでに過去の出来事であり、心配する必要はないと考えている方も多いと思いますが、果たして本当にそうでしょうか?
たとえば、40年以上前に日本では製造や使用が禁止された有機塩素系殺虫剤のDDTは、いまでも中国やインドで製造されています。
自然界では分解されず、気化はしないものの、粉末となって大気中に気散、北極圏などの上空で冷却・凝縮、それが落下して海洋を汚染し、分解されることなく蓄積されて食物連鎖を通じて私たちの口へと運ばれてくるのです。
他の有害物質に関しても同じような経路をたどり、ずっと前に使われたものが自然界に蓄積され、いまも地球を循環しています。
地域や時間を越えた、世界規模の問題なのです。
そして、多くの人が意識することなく食べているというのが現実です。