健康
Health care
いのちまで人まかせにしないために
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いのちまで人まかせにしないために
2024.05.24
目次
しばらくの間、このブログの投稿をお休みさせて頂いていました。
実は、筆者は3月中旬に「突発性難聴」という難病を発症してしまいました。
現在も完治はしていないため、毎週の投稿は困難ですが、少しずつでもお客さまに有益な情報をお届けしたいと思い投稿を再開いたしました。
折角の機会ですから、その時の様子などを交えてお伝えしたいと思います。
突発性難聴は、ある日突然に片側の耳の高度の難聴、耳鳴を来す疾患とされています。
東洋医学では、最初の症状は「左の耳」に発症するとされていますが、わたしの場合も左耳です。
現代医学では、突発性難聴が発症する原因やメカニズムは不明ですが、一応「ストレス」が主原因ということになっています。
これは東洋医学でも同様のようです。
したがって、適度にリラックスした日々を送れていれば発症することはないと思います。
逆に常日頃から「根を詰める」、つまりストレスフルなお仕事に従事している方、神経質な方は要注意です!
筆者のケースも、拙著『大自然の智慧 マグネシウムセラピー』(初版改訂版)の参考文献を3冊、翻訳した直後に発症しました。
街のクリニックを受診したところ、検査の結果、突発性難聴だと診断され、地域で一番大きな総合病院で治療するよう紹介状を渡されました。
現代医学では、1~2週間以内に治療を始めないと治らないことが多いといわれているからです。
ステロイドの点滴、内服などが治療の中心となり、入院加療が必要なこともあります。
難聴の程度は様々ですし、発症時に眩暈(めまい)を伴うケースもあれば、さほどでもないケースもあるようです。
治療の効果も、元の聴こえる状態に戻るものから、全くよくならないものまで様々ですが、治療の奏功率は、だいたい30%とのことです。
わたしの場合は左耳が聴こえないのと、眩暈も酷く、医師からは絶対安静、即入院を勧められました。
様々な事情から入院を断り、自宅で約2週間におよぶ投薬治療の処置となりました。
現代医学による根本治療が難しいことは重々承知していましたが、過去に、随分前ですがメニエール病を3度発症したこともあり、とにかく眩暈だけは早急に無くしたいとの思いでこの治療を承諾しました。
眩暈が治らないと、気持ちが悪く、目を開けていられませんし、吐き気もありますから物を口にすることもできません。
ここは根本治療の前に、対症療法を優先せざるを得ないと判断したわけです。
発熱や過度の痛みなど、このようなケースは多くありますが、この場合は対症療法が有効です。
発症から1週間くらいは「完全断食」状態が続き、せいぜい水を少し飲むくらいの毎日でした。
ということで、自分でもビックリするくらい激痩せしました。
現代医学による突発性難聴の治療には、「合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤/商品名プレドニン錠5mg)」を用います。
最初はこの薬剤の服用を12錠/Dayから始め、9錠、6錠、3錠と徐々に減らしていきます。
この薬剤の添付文書には、副作用に関する以下のような記載があります。
ステロイドの副作用は、服用量や服用期間によって違います。とくに、多めの量(30mg以上)を続けていると、いろいろな副作用が出易くなります。
このため、長期大量服用時など場合によっては入院が必要です。
治療が長くなるときは、定期的に決められた検査を受けてください。
飲み始めに多いのは、いらいら感、不眠、消化不良、下痢、吐き気、食欲増進などです。服用が長めになると、にきび、むくみ、生理不順なども起こります。軽い副作用の場合、病気によっては治療を優先しなければなりません。
長期服用で特異なのが、脂肪の異常沈着です。多めの量を続けると、かなりの頻度で生じます。ムーンフェイスといって顔がふっくらしたり、肩やおなかが太る症状です。ただ、これは減量すれば治りますので大丈夫です。
そのほかは多くありませんが、大量もしくは長期の服用においては、副腎不全、ウイルス性肝炎を含め各種感染症の誘発、血糖値の上昇、骨が弱る、胃潰瘍、気分の落ち込み、眼圧上昇、動脈硬化、血栓症などに注意が必要です。また、副腎不全の状態で、急に中止すると重い反発症状がでる危険性があります。
【重い副作用】めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
重い感染症..発熱、寒気、だるさ、食欲不振、のどの痛み、咳や痰、息苦しい、嘔吐、下痢、皮膚発赤・小水疱・ピリピリ痛い、水ぶくれ、できもの。
副腎不全、糖尿病..だるい、吐き気、下痢、のどが渇く、水をがぶ飲み、多尿、食欲増進、太る
消化管潰瘍・胃腸出血..胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、吐血(コーヒー色のものを吐く)、下血(血液便、黒いタール状の便)。
膵炎..吐き気、吐く、持続的な激しい腹痛、上腹部または腰から背中の激痛、発熱。
抑うつ..憂うつ、気分が落ち込む、やる気がでない、考えがまとまらない、悲観的、不安感、不眠。
骨粗鬆症..骨がもろくなる、背中や足腰の痛み、骨折。
目の重い症状(緑内障、白内障など)..見えにくい、かすんで見える、まぶしい、視力低下、目の痛み、頭痛、吐き気。
血栓症..手足とくにふくらはぎの痛み・はれ・むくみ・しびれ、突然の息切れ・息苦しい、深呼吸で胸が痛い、急に視力が落ちる、視野が欠ける、目が痛む、頭痛、片側のまひ、うまく話せない、意識が薄れる。
【その他】
いらいら感、不眠
消化不良、下痢、吐き気、食欲増進、食欲不振
にきび、肌荒れ、毛深くなる、頭髪の脱毛
生理不順、むくみ、血圧上昇、体重増加
脂肪の異常沈着(顔がふっくらする、肩やおなかが太る)
コレステロール値の上昇、低カリウム血症
このように、かなりキツイ副作用がありますから、服用期間中には薬剤師から状況確認の電話が入りますし、服用終了後にはMRIの副作用検査もあります。
上記の赤い表記は、実際に発症した副作用です。
残念ながら、病院での投薬治療は奏功せず、難聴の症状に変化はなく、現在、眩暈も多少あります。
ステロイド剤は、難聴を治療するというよりは、眩暈治療に用いられるものですから、難聴に対しては無策、つまり治療法が無いということになります。
そもそも現代医学というのは、ホリスティック(全体)医学とは違って、根本原因医学(Root Cause Medicine)ではありません。
原因がわからなければ、対処のしようがないと思うのですが…。
では東洋医学(鍼灸療法)はどうなのでしょうか?
現代医学では三半規管などに何らかの原因で障害が生じ、脳が音声を認識できないなどと説明されますが、東洋医学では、難聴の原因は「腎臓の不調」であるとしています。
三半規管に器質的な問題があるのではなくて、三半規管の活動を司る腎臓に障害があるため音が認識できないと考えます。
または眩暈や耳鳴りも同様です。
ですから経絡を通じて腎臓の活性化を促します。
久々の投稿ということで、前置きが長くなってしまいましたが、本題に入って行きたいと思います。
さて現代の標準医学は「西洋医学」が主となっている面が大きいと言われていますが、西洋医学の特徴とは別として「現代医学」と呼称されています。
実は西洋医学は、東洋医学などの伝統医学と同様に「ホリスティック(全体)医学」を起源としています。
西洋医学の創始といわれるヒポクラテスの考え方は、当(まさ)に「全体に根ざして」います。
これが今日の現代医学に変貌したのが、およそ120年前、1910年のアメリカです。
そもそもアメリカでは、20世紀初頭まで半数近くの医科大学やお医者さんがホリスティック医学を実践していました。
しかしそれを「1つの病気、1つの原因、1つの治療法」という現代医学の概念(コンセプト)に置き換えたのがロックフェラーです。
端的に申し上げて「現代医学」というのは、石油利権(Standard Oil Company)がもたらした財力によって、ロックフェラー一族が暴力的に医学界を乗っ取り、私益を追求する目的で創設されたものです。
この暴挙により、それまで真正医学である「ホリスティック医学」を教えていた米国の医学部の半数以上が閉鎖されたのです。
このような話しをすると、いまだに、都市伝説だの陰謀論だと言う幼稚な人がいますが、これは史実です。
本稿ではその歴史的詳細には触れませんが、近現代史の一次資料で確認することができます。
※ロックフェラー1世、ジョン・デイヴィソン・ロックフェラー・シニア(John Davison Rockefeller, Sr)
現代医学の欠点は、人体を形態的・解剖学的に診て、人体はすべて同じ構造をし、同じ力を持っていると機械論的に考えてしまっている点です。
もちろんそれが全て間違っているというわけではありませんが、現代医学は、各個人それぞれの体力や体質、性格、年齢などからくる生理作用の相違を無視して、解剖学上の統計に依存してしまっています。
よって検査をして器質的に問題がなければ、どんなに症状があったとしても「問題なし」になってしまうのです。
明らかに体調が優れないのに、「どこにも異常ありません」と診断された経験のある方はとても多くいます。
現代医学は、顕微鏡などを用いた解剖分析的な方法によって目に見えるもののみを単位として、体系立てていこうというのが基本的な考え方です。
そのために、動物や人体解剖を行い、誰が見ても同じようにわかるもの、誰にも共通に備わっているものを抽出して、それを「科学的」と言っているわけです。
生命がある時のみに働く生理的な力とか、各人の個性といった目で直接的にとらえることができないものは「非科学的」といってなかなか信用しません。
これに対して、東洋医学や伝統医学などのホリスティック(全体)医学の考えは、目に見えるものの裏にある生理作用や、精神といったものの働きを非常に重要視します。
東洋医学では、それを「氣」と総称しています。
そして目に見える「形」や「相」は、氣によって作られ、その氣の変動によっていろいろと変化し、生々営々されていると考えます。
氣と形とは、お互いに働き合い、協力し合っているという考え方です。
西洋医学は手術や対症療法に頼るが、それによって病気を根本的に解決することは難しいという現実を知っているだろうか。
対照的に、中国伝統医学は病気の根本から治療を行うため、完治に導く。
多くの人が絶対と信じ込む西洋医学の限界を明らかにしたい。
と言うのは、岡部漢方内科院長の岡部哲郎氏です。
本稿ではこの岡部先生の解説による「東洋医学と現代医学の違い」について見ていきたいと思います。
おかべ・てつろう/岡部漢方内科院長
東大病院で臨床研修後、ガン細胞の研究に従事し、特にG-CSF産生腫瘍の培養株樹立に成功。肺ガン治療の新技術を開発し、分子標的治療の先駆けとなる。東京大学で優秀な硏究者を育成し、台湾の漢方医林天定一門に師事、漢方薬の開発にも貢献。東大病院漢方外来の責任者として、西洋医学では治療困難な難病に漢方治療を試みる。2014年には岡部漢方内科を開院し、さまざまな病気に苦しむ人々を支援。さらに、ガン治療のセカンドオピニオンも提供している。著書に『西洋医学の限界なぜ、あなたの病気は治らないのか』『病気を治せない医者 現代医学の正体に迫る』など。
西洋医学には限界がある。高血圧、糖尿病、喘息、膠原病、うつ病、てんかん、どれも西洋医学では治らない。
西洋医学が得意なのは細菌感染症の抗生物質による治療と外科手術が必要な疾患であり、できるのは、症状を抑える対症療法(血圧を下げる、血糖値を下げる、喘息発作を予防する、自己免疫を抑える、鬱を晴らす、てんかん発作を予防する)くらいだ。
従って、患者は薬を飲み続けなければならず、病院には患者があふれ、医療費は年々増加する。
それに対して、数千年にわたる歴史と経験に基づいた医学体系である中国伝統医学(〇〇湯で治療する、いわゆる日本の漢方ではない)は人体の「気」「血」「津液(しんえき)」の流れを調和させたり、五臓六腑(ごぞうろっぷ)のバランスや、 陰陽五行説を用いたりして病気の原因を診断し、体内のバランスを整えたりして健康を取り戻すことを目指 す。
高血圧について西洋医学では、心臓・血管の病気と捉え、対症療法として心臓・血管に作用する降圧剤を処方するが、中国伝統医学では相互に関係する5つのシステム、五臓 (心、肝、脾、肺、腎)のうち、いくつかに異常が生じた結果だと考える。
そのため、複数のシステムの異常を同時に複数の生薬で治療し、心身のシステムをリセットすることで 血圧が上昇しない健康な心身にする。
いわば人体を改良するのだ。
遺伝性脊髓小脳変性症、シェーグレン症候群、神経繊維腫(レックリングハウゼン病)、コロナ後遺症などのように、専門病院で治療法が無いと言われた難病でも中国伝統医学 では治療法が存在し、治療効果が期待できる場合が多々あるが、本稿では患者数が多い5つの病気の治療法を紹介する。
高血圧を起こす原因やメカニズムはさまざまであるにもかかわらず、高血圧に対する西洋医学の治療は、降圧剤でただ血圧を下げるだけで主に、次の5種類の降圧剤が使われる。
①Ca拮抗薬
血管壁の平滑筋に作用して血管の 内径を直接広げる。
②α遮断剤
血管壁に分布する交感神経を遮断 することで血管内径を広げる。
③アンギオテンシン(血管収縮物質)の受容体拮抗薬
血管内径を広げる。
④β遮断薬
心臓の働きを抑えて心拍出量を減らす。
⑤利尿薬
血液最を減らす。
いずれも薬で血圧が上がるのを抑えている対症療法であり、原因に対する根本的な治療ではないので、患者は一生薬を飲み続けなければならない。
我々は10例の高血圧症の患者(男性6例、女性4例/年齢40歳代1例、50歳代2例、60歳代4例、70歳代3例/いずれも高血圧歴2〜10年、うち4例は降圧剤を服用中)を対象に、五臓六腑のどこに、どのような異常が存在するのかについて、詳細な鑑別診断(証候の弁別)を行った。
証候の弁別とは、伝統的な東洋医学や中医学で用いられる概念であり、病気や健康状態を判断するための手法の一つである。
証候は病気の症状や身体の状態を指し、それを見分けたり区別したりすることで病気の診断や治療方針を立てる基準となる。
鑑別診断は、陰陽、虚実、表裏、寒熱、五臓の機能異常、気・血・津液の異常、病因(内因「精神的因子」、外因「環境因子」、その他「食餌、運動、生活習慣など」)などに関する診断だ。
寒熱、虚実の鑑別診断では10例の内5例が実証(体力や抵抗力が充実している)の熱証で、1例が虚証 (体力がなく、弱々しい感じ)の熱証、4例が虚証の寒証であった。
五臓の鑑別診断では、全例で肝システム(運動神経や交感神経を中心とする神経調節系)の異常が認められた。
高血圧症が認められた異常の原因はそれぞれ異なるが全例が機能亢進であった。
次に多かったのは脾のシステム(消化器系)異常であった。
10例中8例に脾(消化器系)の異常が認められたのである。
脾の異常は機能低下が4例、機能亢進も4例、腎システム(内分泌系)の異常は6例、そのうち3例は機能低下。
心システム(循環器系)の異常は3例、そのうち機能低下は2例だった。
肺システム(呼吸器系)の異常は1例で認められた。
また気・血・津液の証候では8例で津液過剰、3例で津液欠乏が認められた(1例では上半身の津液不足と下半身の津液過剰『浮腫』が混在していた)。
明らかなお血(けつ・血流障害)が1例で認められた。
全例で肝システムの異常による精神神経症候が認められたが、なかでも心理的異常が3例、(心システムの異常による)飲食が関与する脾胃(消化器系)の異常が3例あった。
各症例で複数のシステムの異常が絡み合ってさまざまな証候が見られ、複数の病態が相互に重層的に関与した結果、多彩な症状を呈する高血圧症になったと考えられる。
それぞれに対応した薬物を配合し、治療処方を作成した結果、病態は改善され、多彩な症状や高血圧などの検査所見も改善された。
漢方薬投与2週間後には収縮期血圧も拡張期血圧も低下することが分かった。
4週間後には収縮期血圧は治療前の171.6±16㎜Hgから127.0±7.3㎜Hgへ、拡張期血圧は99.4±12.1㎜Hgから78.3±7.4㎜Hgに低下した。
この結果から、高血圧の原因は複数の臓器の病態が複合的に関与していると考えられる。
つまり、各種降圧剤で血圧を下げても根本的な治療にはならないのだ。
てんかんとは、さまざまな原因によって脳の神経細胞が過剰な電気的興奮を引き起こし、意識を失ったり痙攀(けいれん)が生じたりする「てんかん発作」を繰り返し引き起こす病気である。
日本に約100万人の患者がいる身近な病気で、乳幼児から高齢者までさまざまな年齢の方が発病するが、通常、80%は抗てんかん薬で発作を抑えることが可能である。
しかし薬で症状を抑えられた場合でも、薬の服用を中止すると5年以内の再発率は75〜100%といわれている。
中国伝統医学では同じてんかんでも、四診(望診、聞診、問診、切診)を合わせて弁証論治を行うため、五臓六腑の病態診断が異なる。
望診(ぼうしん)とは、患者の外観や表情、皮膚の色や状態、舌の形や色などを観察し、病気の診断をすること、聞診(ぶんしん)は患者の声や呼吸音、排泄物の状態などを聞き取ること、問診(もんしん)は、患者に直接、症状や生活環境、食事状況などを聞くこと、切診(せっしん)は、脈の強さ、 速さ、リズム、深さ、表面の状態などを診察することである。
四診(ししん)は総合的な診断手法であり、これらの要素を組み合わせて患者の状態を把握し、適切な治療法を選択するための基盤とする。
それぞれの診断結果に基づいて20〜30種類の生薬を組み合わせ、オーダーメードの煎じ薬を作成し、てんかん発作の原因となっている脳細胞を興奮しない状態に変化せる。
中国伝統医学は、化学薬品で脳細胞の興奮を抑えるのではなく、脳細胞を興奮しない状態に漢方薬で変化させるので、脳細胞はもう2度と興奮しない。
てんかん発作は起こらず、完治する。
2014年1月、10年前からてんかんの大発作(意識消失、痙攣)を繰り返すとのことで25歳の女性が漢方内科に来院。
10年前の発病当初、専門医にテグレトール、デパケンなどを処方されたが、副作用が強くでたので直ちに中止し、それ以降、10年にわたって意識消失と間代性痙攣を伴う大発作を繰り返す。
彼女に26 種類の生薬処方を作成し、2015年6月まで1年6力月間にわたって治療すると、脳細胞が興奮しない状態になったので治療は終了とした。
この間、てんかん発作は起きなかった。
治療終了後、結婚、出産を経たが、2020年時点で、てんかん発作は一度もない。
漢方治療開始より6年間、てんかん発作は一度も起きていないことから、てんかんは完治したと考えて良い。
別の患者の場合、大学病院で限局性皮質形成異常と診断され、てんかん発作を頻発する6歳の小児が、「種々の抗てんかん薬を投与しても効果がない」と来院。
胎児の脳が形成される段階で何らかの異常が生ずると、生まれてくる子供の脳にさま ざまな奇形が生じる。
異常が大脳皮質にある場合を、「大脳皮質形成障害」または「大脳皮質形成異常」と呼ぶ。
「限局性皮質異形成」は、大脳皮質の一部分に限定して存在する異常で、「限局性皮質形成異常」と呼ばれ、しばしば、てんかん発作を引き起こす。
てんかんを乳幼児期に発症すると、さまざまな程度の発達障害をもたらすことがある。
限局性皮質異形成によるてんかん発作は、抗てんかん薬では抑えられないことが多く、このような場合は「難治性てんかん」「薬剤抵抗性てんかん」と呼ばれる。
発熱時や女性の場合には生理の直前や生理中に発作が起こりやすくなる。
女児は特に脳、神経、消化器に強い熱が認められ、気温の上昇時や発熱時にてんかん発作が誘発された。
それぞれの臓器の熱を冷ます各種生薬26種類を組み合わせて処方したところてんかん発作は消失した。
緑内障は日本人の失明原因の第1位で、40歳以上の20人に1人が発症する。
西洋医学では、眼科医は「緑内障は治らず、徐々に悪化して、失明することもある」、「視神経は脳神経の一つで、一度害されると回復しない。失われた視野や視力は二度と回復しない」と言うが、それは何の証拠もない思い込みである。
中国伝統医学で診断し、診断結果に基づいて視神経の治療をすると、緑内障の視野は改善する。
日本人に多い正常眼圧緑内障(眼圧21以下)の原因の多くは胃腸虚弱 (消化吸収力が弱い)が原因である。
また、心理的トラウマ、精神的ストレス、自律神経失調、血流障害、エネルギー代謝の低下、食生活の不摂生、多量の飲酒、ひどい近視、低体温、冷え性、低血圧、眼科手術なども原因となる。
また、更年期の内分泌器官の機能低下(エストロゲン低下) とそれに伴う交感神経系の機能亢進なども緑内障を悪化させる。
西洋医学では、「約100万本の神経線維の束から徐々に線維が減っていくため、最悪の場合、視野のうち、減った線維が担当していた部分が見えなくなり、失明する」と言うが、障害を受けた視神経が完全に死滅するまでに数年かかると言われており、ある時点では障害の程度が異なる視神経が混在している。
瀕死の状態の視神経はまだ完全には死んでおらず、蘇生させられる。
また、視野検査の視野50%欠損イコール視神経50%死減というわけではない。
たとえば50%のうち20%の視神経は障害を受けて機能低下しているが死滅してはいない場合、治療により視野欠損の進行は止まり、この20%の視神経は機能が回復し、視野欠損は改善する。
この20%を放置しておけば2〜3年で本当に死滅、治療を続ければ3〜4年は視野が改 善し続けるようだ。
治療は初診にて個々人の緑内障の原因を正確に診断する。
診断結果に基づいて生薬を選択して煎じ薬の処方(生薬20〜30種類)を作成する。
この処方を1ヶ月服用して効果を見る。
効果を評価して処方内容を修正する。
1ヶ月毎に診療を行い、有効な処方を作り上げる。
写真は59歳の正常眼圧緑内障の女性の眼科での視野検査のデータである。
右側の写真が治療前の視野検査のデータで、右下部分の黒い部分が視野の欠損している場所を示している。
左側の写真は中国伝統医学による漢方生薬で1年間治療した後の視野検査のデータである。
右下にあった視野の黒い部分は消失し欠損部は明らかに治癒している。
上の図は生薬治療前と治療6ヶ月〜1年後の各人の視野検査のMD値の変化をプロットしたものだ。
視野欠損の範囲はMD値で表示される。
治療により視野欠損の進行停止および視野の改善が認められる。
改善の程度は個々人の病態や経過によって異なる。
また視野欠損の改善の度合いは年齢には関係なかった。
MD値0が視野欠損なし、マイナス30dbで完全失明となる。
脊柱管狭窄症(せきちゅうきょうさくしょう)は腰から下の神経に関連する症状、具体的には、腰の痛み、臀部の痛み・しびれ、足の痛み・しびれ、足の筋力低下、歩行障害、排尿障害などが表れる。
西洋医学では消炎鎮痛剤、神経ブロック注射、外用剤(湿布薬.貼り薬・塗り薬)など対症療法か、症状がひどい場合は手術をする。
しかし、手術しても痛みが取れない場合も多々ある。
中国伝統医学では、この病気の原因は脊柱管近くの浮腫、炎症、血流障害、骨の老化(五臓のうち腎の異常) などが複合的に重なって引き起こされることが多いと考え、浮腫や、炎症、骨の老化や血流障害を改善する生薬などを組み合わせた処方をすれば症状は消失する。
膠原病は自己免疫疾患であり、侵される場所により、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、全身性強皮症、結節性多発動脈炎などがある。
西洋医学では免疫抑制剤やステロイド、抗炎症剤、サイトカイン抗体、TNF受容体抗体などにより関節痛などの症状を抑制する。
関節リウマチを例に挙げると、中国伝統医学では関節痛を引き起こすのは、血流障害(肝の異常)と経絡の閉塞などと考える。
これらを引き起こす原因は体内の素因と気象(気温、気圧、湿度など)の変化である。
北海道の関節リウマチは寒さが原因であり、身体を温め、血流 を増やす漢方薬で治療する。
九州の関飾リウマチは熱によって起こるため、身体を冷やす漢方薬で治療する。
同じ関節リウマチでも治療法は真逆であり、これを間違えれば治らないのみか関節痛は悪化する。
また、低気圧が来ると関節痛が悪化するので、漢方薬で低気圧に対する身体の抵抗性をつけると関節痛は起きなくなる。
関節リウマチの原因の除去は漢方薬でしかできない。
これまでに、西洋医学の治療が効かない関節リウマチ17例中14例が中国伝統医学で治癒した。
その他、シェーグレン症候群なども治癒した。
中国伝統医学では、さまざまな病気は、五臓(心、肝、脾、肺、腎) という5つのうち、いくつかのシステム異常が相互に作用した結果生じたと考える。
複数のシステムの異常を同時に複数の生薬で治療し、心身のシステムを正常にリセットすることでこれらの病気を治癒させることが可能だ。
専門医に「原因不明、老化現象です、治療法がない」と言われた病気でも諦める必要はない。
五臓六腑が健康になればもう薬を飲む必要はない。
中国伝統医学では治療法が見つかるはずだ。
日本の敗戦後、ホリスティック(全体)医学は、世間やマスコミから低く見られるようになりました。
例えば象牙の塔、『白い巨塔』の財前先生は社会的地位が高いですが、街の鍼灸や漢方のお店とかは低く見られています。
しかし、江戸時代の漢方医は社会的地位がものすごく高かったのです。
敗戦後はドイツの医学も日本に随分入ってきましたが、それをひっくり返したのが、明治以降に日本に入ってきたアメリカの医学というわけです。
現代医学の始まりはビジネスが目的ですから、患者(顧客)が減らないのは当然のことなのです。
昭和20年8月15日から、日本では現代医学が100%になったわけです。
これに従わないものは、次から次へと潰されました。
その親分の筆頭が、つまりGHQ 直轄のお医者さん、武見敬三氏(現厚生労働大臣)のお父さんの武見太郎氏です。
今回ご紹介した岡部哲郎先生の治療法は、主に漢方薬を用いたものです。
一方、鍼治療に関して言えば、二重盲検化臨床試験による検証において、プラセボ効果(偽薬)以上の有効性は認められていませんから、「科学的根拠に基づく医療(Evidence-Based Medicine)」とは言えないかもしれません。
これは、ホメオパシーやカイロプラクティックなどの補完代替医療においても同様です。
ではわたしたちは、どのように健康を維持、または改善していけばよいのでしょうか?
どんな時代にも、医学の発展を阻む二つの主要な障害があった。
それは権威とシステム(体系)である。
“ At all times there have been two bmain hindrances to the development of medicine; authority and the systems. ”
ルードルフ・ルートヴィヒ・カール・フィルヒョウ(Rudolf Ludwig Karl Virchow/1821年10月13日 – 1902年9月5日)ドイツ人の医師、病理学者、先史学者、生物学者、政治家。白血病の発見者として知られる。晩年は保守化し、ベルリンで「病理学の法王」として君臨した。彼はまた「医療はすべて政治であり、政治とは大規模な医療にほかならない」[3] と宣言し、公衆衛生の改善を強く訴え、ベルリンに近代的な上・下水道を作るために政治家として働いた(ベルリン市議会議員(1859年 – 1902年)、プロイセン王国下院議員(1862年 – 1902年)、ライヒ議会議員(1880年 – 1893年))。医学教育に関しては、「医学教育は、生計を立てる方法を医学生に提供するためのものではなく、地域社会の健康を確保するためのものである」と述べている。
Notes
岡部哲郎『西洋医学の限界』アスコム
“ TRICK OR TREATMENT? Alternative Medicine on Trial Author ” by Simon Singh & Edzard Ernst