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いのちまで人まかせにしないために

甲田光雄先生に聞いてみました。宿便ってなに?

2022.07.09

宿便は体に毒素をため込み(自家中毒)、多種多様な症状を引き起こす原因になりますが、そのことをわかっていないのが現代人の盲点です。

 

これは断食博士・甲田光雄医師の言葉ですが、万病の起点となる腸内異常発酵、つまり腸内腐敗は「便秘」という曖昧な症状のひとつとして覆い隠されています。

ですから便秘という症例は知っていても、「腸内腐敗・腸内異常発酵」という言葉自体を知らない人が大多数です。

 

問題なのは便秘なのではなくて、それによって引き起こされる「腸内腐敗・腸内異常発酵」なのです。

 

甲田医師によれば、宿便は脳梗塞や心筋梗塞、ガン、膠原病、アトピー性皮膚炎など、じつにさまざまな病気を引き起こすといいます。

さらに現代医学で、「難病」に指定されている病気も例外ではないということです。

腸内異常発酵を病原から除外しているために、多くの病気が原因不明の難病となるわけです。

1日青汁1杯の「不食の人」として知られる森美智代さんの事例などがそのケースに当てはまるのかもしれません。

森さんは、甲田医師の治療によって救われた難病患者のひとりです。

※ 森美智代さんは、21歳のとき、「脊髄小脳変性症」という国が認定する特定疾患と診断されました。

脊髄小脳変性症は、運動機能を司る小脳や脊髄が萎縮して、しだいにその働きを失っていく難病です。

少し前のことですが、沢尻エリカさんが主演して話題作となった『1リットルの涙』(幻冬社刊)というノンフィクション闘病気の著者・木藤亜也さんと同じ病気です。

 

西医学健康法は自然療法ですから、クスリも注射も手術も行いません。

しかし西勝造が唯一必要だとしたのが、「生まれは海・育ちは自然の医薬品」、「スイマグ」です。

弊社の製品、「スイマグ・エース」「マリンマグ・エース」は、西医学健康法の創始者・西勝造の発明によるものですが、この医薬品をもっとも多く患者の治療に用いたのが甲田光雄医師です。

 

甲田医師はさらに、戦後爆発的に普及した「西洋式の食習慣」にも大きな懸念を示し、このように言っています。

 

とくに高脂肪、高タンパク、低食物繊維の動物性食品の食事がもたらす宿便の弊害は顕著に現れる。

 

 

専門的な言い方をすると「発酵は糖質」「腐敗はタンパク質」と、元になるものは違っても、酸化還元作用であることに変わりなく、化学反応としては同じことなのです。

ただし、「発酵はヒトの身体にプラス」になりますが、「腐敗はマイナス」になるということです。

甲田医師は「動物性脂肪」「動物性タンパク質」の摂り過ぎによる腸内の腐敗に警鐘を鳴らしているのです。

 

腸内の腐敗・異常発酵は、便やオナラの臭いで分かります。

弊社のお客さまは、もうよくご存知だと思いますが、腸内の衛生環境が正常に保たれていれば、便やオナラに「悪臭・腐敗臭」はありません。

便やオナラに「悪臭・腐敗臭」のある方は、ただちに改善する必要があります。

 

高額な医療費を支払って治療する前に、腸内腐敗を無くせば多くの病人を減らすことができるのです。

 

Colon Polyp Removal. Endoscope inside colonoscopy for Colon polyps search. 3d render.

 

大腸内視鏡で観察しても腸管内にそれらしきものの存在が確認できないとの理由から、現代医学では現在も宿便の存在は否定されています。

しかし断食をおこなうと、通常ではあり得ないほどの大量の便が排出されます。

このような現象から古来、宿便の存在は信じられてきました。

では宿便とは何なのでしょうか?

甲田医師は、宿便とは古来いわれてきた「古便」ではないといいます。

 

なぜなら、腸内細菌が出す酵素によって便は分解される。

しかも、腸管粘膜は3日に1度くらいの割合で生まれ変わるので、腸壁に便がいつまでもこびりつくことはない。

 

断食をおこなって大量の宿便が排泄されても、その1〜2ヶ月後にまた断食を行うと、再び大量の便が排泄されるといいます。

このことからも、宿便は古便ではないとの見解を示しています。

では、その実体は何なのか?

 

宿便とは、胃腸の処理能力を超えて食べつづけた結果、腸管内に渋滞する排泄内容物です。

たとえば、1分間に自動車100台が流れる高速道路では70台くらいなら楽々と流れますが、150台の車が入ったら50台は渋滞してしまいます。

これと同じ状態が腸に起きているのが宿便です。

 

胃腸の処理能力を超えた過食は、それを収納する胃腸が伸びたり垂れ下がったりします。

そうなると安定が悪いため、あちこちに胃腸がへばりついてしまう。

するとへばりついたところに癒着が起きますが、癒着したところは変形して細くなり、捻れたりします。

そこに食べた物の残渣が引っかかって、宿便として渋滞するというわけです。

 

BE or barium enema image or x-ray image of large intestine showing anatomical of colon for detect Colon cancer .

 

癒着が進めば、腸は動かなくなります。

腸は蠕動運動が不十分になり、宿便がさらに溜まる悪循環に陥ってしまうのです。

ところが、渋滞していた宿便も、腸内細菌(マイクロバイオーム)が出す酵素によって、数週間で発酵・分解されて消えてなくなります。

しかしこれで万事解決とはならず、さらなる問題を引き起こします。

 

この発酵・分解が腸内異常発酵・腸内腐敗で、それが体内に吸収されてしまいます。

当然ながらその過程で発生したインドールやスカトール、アミン類、硫化水素などの細菌毒素も吸収します。

 

これらの腐敗物や腐敗産物(毒素)が、体内に吸収され全身を循環することで自家中毒となり万病の起点となります。

さまざまな肉体的病気、精神的な病気、シミやシワなどの老化現象、体臭、頭痛や肩こり、めまい、倦怠感などの症状を引き起こすのです。

 

現代の医学では、腸内洗浄をおこなうアンチエイジングなどのクリニックがあります。

腸内洗浄と断食による排泄の違いは、腸内洗浄が他力であるのに対して、断食は自力で排泄されるということです。

現代医学の大腸専門医が宿便の存在を否定するのは、断食による大量の宿便排泄を、医師としても患者としても経験していないからなのでしょうか。

 

 

腸内洗浄の様子

 

断食を一度行なって宿便が排泄されても、宿便はまた溜まります。

甲田医師は、「宿便をできるだけ溜めないためには結局、普段から少食にするしかない」との考えに至り、朝食抜きの1日2食を推奨していたわけです。

ちなみに、ナグモクリニックの南雲吉則総院長は、「夕食だけの1日1食」を実践していると自著で述べています。[1]

胃腸が処理できる能力範囲内で食べていても、水を飲まない、食物繊維を摂らない、運動をしない、ストレスいっぱいなど、腸の蠕動運動を低下させる要因があれば、宿便は溜まります。

つまり、現代に生きるわたしたちは、常に宿便を溜めるリスクを抱えているということなのです。

毎日の「内側からキレイ」を心掛けてください。

 


Reference

1 南雲吉則『20歳若く見えるために私が実践している100の習慣』(中経出版)

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