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⒊ タンパク質は、どれくらい摂ったらいいの?

2025.05.23

タンパク質って?

 

タンパク質に関するお話しです。

わたしたちヒトの身体は約64%が水分で、約20%がタンパク質でできています。

つまり、体重65㎏の人なら約13㎏がタンパク質です。

おもに筋肉や消化管、内臓、血中のヘモグロビン、髪や皮膚のコラーゲンなど、身体の重要な組織をつくっています。

このタンパク質を構成している成分がアミノ酸です。

つまり、わたしたちのカラダの約20%はアミノ酸でできているとも言えるのです。

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これまでに約百万種類のタンパク質が確認されていますが、タンパク質の定義は驚くほどあいまいです。

タンパク質はアミノ酸でできているわけですが、1本の鎖にいくつのアミノ酸があればタンパク質とみなされるのかについて、一般に認められた定義はないのです。

少数のアミノ酸が結合したものは、ペプチドと呼ばれたり、10個から12個ならポリペプチドと呼ばれます。

ポリペプチドがそれより大きくなり始めると、言葉では説明のしようのないどこかの時点で、タンパク質になります。

ちょっとよくわかりませんよね⁈

タンパク質は、端的に言って、複雑な存在です。

タンパク質は、アミノ酸をつなぎ合わせて得られますが、そのアミノ酸はちょっとやそっとの量ではありません。

たとえば、美肌に重要な役割を果たすコラーゲンというタンパク質を作るには、1055のアミノ酸をひとつたりとも間違えずに、正しい順番に正確に並べなければなりません。

わたしたちは科学のすべてを総動員しても、ヒトを作ることはできないわけですが、ヒトどころか、ヒトを形づくっているタンパク質を、ただのひとつも作ることはできないのです。

さらには、人体を構成しているのは1個ではなく、何十万種類のタンパク質です。

そのひとつひとつが個性を持ち、人間の健全で幸福な生活に欠かせないとされています。

タンパク質もまた、生命の奇跡なのです。

自然界には(現在解っているだけで)約500種類ものアミノ酸が発見されていますが、わたしたちの身体のタンパク質を構成しているのは20種類のアミノ酸で、以下の種類があります。

バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、アルギニン、グルタミン、リシン(リジン)、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、システイン、トレオニン(スレオニン)、メチオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン、グリシン、セリン。

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タンパク質は、どれくらい摂ったらいいの?

 

わたしたちヒトの身体を作っているタンパク質(アミノ酸)ですが、ではどれくらいの量を摂ればいいのでしょうか?

厚生労働省が推奨する1日のタンパク質摂取量は、育ち盛りの15〜17歳で、65gと定められています。

65gというタンパク質の摂取量を食事の内容に置き換えると、たとえば「ご飯300g(丼一杯)・牛もも肉100g(一人前)・鮭70g(1切れ)・納豆1パック・牛乳コップ2杯」で、お釣りがくる計算です。

タンパク質が含まれる食品は多く、意外と簡単に摂れてしまいます。

この食事内容を1日3食摂ると、約205gのタンパク質摂取量となります。

これはあまりにも多過ぎます。

アスリートや運動習慣のある人で、体重1㎏あたり1.2〜2.0g(Nutritionという国際的ポジションスタンドが二〇一六年に発表)が推奨量ですから、体重65㎏の人で、1日あたり130gのタンパク摂取量です。

Valter Longo

一方、南カリフォルニア大学長寿研究所のヴァルター・ロンゴ博士らの研究による、1日あたりのタンパク質推奨量は、日本の厚生労働省の推奨量よりはるかに少なく、体重1㎏あたり0.37g。体重65㎏の人で、1日あたり24gのタンパク摂取量と報告されています。

さらに次のように言及しています。

ヒトの身体は、はがれ落ちた腸壁細胞や粘液から約20gの(タンパク質を構成する)アミノ酸をリサイクルするようにできており、必要なタンパク質量は驚くほど少ない。

ちなみに、パプアニューギニアの人たちは、タロイモやヤムイモを主食にしていて、動物性の食物はほとんど食べませんが、筋肉隆々としています。

1日に摂取するタンパク質は、わずか19gという報告もあります。

1日2食の習慣なら、インスリン分泌を低く抑えるのは、そんなに難しくはありませんね ‼

しかし、昼食と夕食が「ドカ食い」では、台無しですよ!

朝食をやめると、─個人差はありますが─おおむね2〜3ヶ月で、体重は3〜4㎏落ち、それ以降はその人なりの適正体重に落ち着きます。

動物性食品の摂取を控え(食べるな、ということではありません)、プラントベース(植物性食品主体)の1日2食のマイナス腸活こそ、物理法則に則ったダイエットの王道なのです。

美と健康の鍵を握っているのは、なんといっても腸ですが、米国ウィスコンシン大学のリチャード・ワインドラック(Richard Winedrug)博士らの研究では、1日2食は、酸素の消費量が13%減り、その分、体を老化させる活性酸素の産出量も減ると報告されています。

つまり、アンチエイジングにもつながる、ということですね。

ケトーシス(ケトン体代謝)には、抗酸化作用や傷ついたDNAの修復、オートファジーの働きの活性化が起こりやすくなり、この状態が長時間つづくと、内臓脂肪の減少、血圧の低下、腸内環境の改善などにつながり、病気を遠ざけてくれます。

またケトン体には、神経や心筋を保護する作用や、炎症やアレルギーを抑えたりする作用が報告されており、ガンや動脈硬化を予防する効果も期待されています。

またケトン体の一つであるβヒドロキシ酪酸(β-HBA)は、とくに脳の燃料として優れていると言われています。

 

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