マイナス腸活のすすめ

はじめましょう!マイナス腸活

2019.05.31


過度な老化や精神の不調、生活習慣病には、便秘が深く関わっています

便秘は英語でConstipationと言いますが、その語源は、ラテン語のConstipatusで、「圧迫する」「集まる」「詰める」といった意味があります。つまり、腹部に便が溜まり、排泄が困難な状態になることです。

便秘は、ほとんど全ての病気を引き起こす元になっていて、人体に生じるほとんどの不具合の根本原因なのです。便秘が、ひどくなれば毒血症を引き起こすことさえあるのです。

大腸に便が長くとどまり、水分を失って固まってしまうと、腸内微生物叢(マイクロバイオーム )が提供できなくなり、排泄に必要な蠕動運動が妨げられ、老廃物に残っている栄養素を吸収・利用できなくなります。

粘着質の便は、大腸の内壁に付着し、層状に覆ってしまい、まるで石膏のようにカチカチに固まります。内壁に付着した分厚い便の層は、大腸の正常機能を妨げ有毒物質を生成し、私たちの健康で幸福な生活や人格までも損なっていきます。

では便秘とは、どのような状態なのでしょうか?

便秘の定義には、国際消化器病学会のRomⅣの診断基準が臨床研究などで国際的に最もよく用いられます。


国際消化器病学会RomⅣ

  • 排便回数が週3回未満
  • 硬便が排便時の25%以上(4回に1回以上は硬い便)
  • 用指的排便(指や綿棒などを用いて強制的に排便させる行為)が25%以上
  • 努責(排便時に強くいきむこと)、残便感、閉塞感がみられる頻度が25%以上
  • 以上の症状が6ヶ月前から少なくとも3ヶ月で基準を満たす場合に慢性便秘

便秘は便通の頻度だけでは計れません

腸が正常に働いていれば、1日1回から2回の排便があります。しかしこれには個人差があり、2日から3日に1回の排便でも排便の状態が普通で、苦痛を感じない場合は便秘とはいいません。また、毎日排便があっても便が硬い、あるいは残便感があるといった場合には、便秘であるといえます。人によって便通の頻度が異なるため、頻度だけで便秘を定義するのは難しいのです。


注意すべきは、便やオナラの

悪臭・腐敗臭です

便通の頻度に関わらず、便秘に伴う症状のうち最も注意しなければならないのは、腸内腐敗(腸内異常発酵)です。便やオナラに悪臭(腐敗臭)のある人は、ただちに改善する必要があります。腸内腐敗は老化を早める原因であり、万病の元なのです。「未老先衰」という言葉がありますが、意味は文字通り「まだ老いていないのに、年の割に老化が進んでしまっている状態」のことです。腸内腐敗の放置は、まさに「劣化の先送りボタン▶︎▶︎を押す」ようなものなのです。


さぁ、はじめましょう!

“ マイナス腸活 ”

“マイナス腸活”とは、

「大腸のおそうじ」で “腸内腐敗”を予防・改善する、

美しく健康な心と身体・健康長寿の生活習慣のことです。


“ 身体(大腸)を適当に清掃せずに置くときは、これに栄養を与うるだけ、身体を傷害するに至るものである。

満腹より起こる疾患は空乏(断食法)によって治癒せられる ”。

── ヒポクラテス『箴言』より

“Bodies not properly cleansed, the more you nourish them the more you injure them.
Diseases which aries from repletion are cured by depletion.”
── Hippocrates,“Aphorisms”

“ 断食は万病を治す妙法である ”

── ヨガの奥義


“減らない病人” “平均寿命と健康寿命”

に大きな隔たり

日本は歴史的に豊かな腸内環境を育む植物性食品主体(プラントベース)の食生活や健康保険制度、医療の進歩等によって長寿大国になりました。しかし厚生労働省の発表によれば、平成28年度の国民医療費は41兆3千億円で、平成24年度の108%と依然高い水準が続いています。更に2040年度の国民医療費の政府試算は、現在の1.7倍の66兆7千億円にもなると報告されており、高齢化の影響も大きく、なかなか病人が減らないのが現状です。

また「簡易生命表」によると、平均寿命が男性80.98年、女性87.14年といずれも過去最高を更新しており、「人生100年時代の到来」ともいわれています。なのにどうしてなのでしょうか?平均寿命と健康寿命に大きな隔たりがあり、平均寿命と健康寿命の差は、男性で約9年・女性で12年強と言われ、長期間の闘病生活の末、最期の時を迎える人も少なくありません。


日本は医療技術が発達した先進国で、

ガンで亡くなる人が増え続ける唯一の国

わたしたちヒトは有害物質によって血液を汚し、血液によって全身に運ばれた有害物質は、様々な器官や臓器、遺伝子を攻撃して傷つけ、病気になります。

ではその有害物質はどこからやってくるのでしょうか?

「外部から体内に侵入したウイルスや病原菌ではないだろうか?」もちろんそうです。「過度なストレスも有害物質といえるのではないだろうか?」まさにその通りです。しかし、ウイルスや病原菌に感染しておらず、特にストレスや運動不足でも無いのにわたしたちヒトは病気になります。

さらにはもっと重要な謎があります。現代は日本人の生活習慣病・慢性病が増え続けています。特にガンは、欧米では減少傾向にあるのに、なぜ日本人のガンが増えつづけているのでしょうか?

厚生労働省は2019年1月16日、2016年に施行された「がん登録推移法」に基づいた初めての集計結果を発表しました。発表によれば、2016年に全国で新たにガンと診断された患者数は計99万5132人。医療機関が任意で届け出ていた従来の集計方法と比較すると、前年(2015年)から約10万人の大幅増となり、過去最多とみられています。男性と女性を合わせた部位別の患者数は、大腸ガン、胃ガンの順でいずれも消化器官の部位です。ガンは日本人の死因のトップで、先進国でありながら、ガンで亡くなる人が増え続ける唯一の国なのです。


“食生活の欧米化”と生活習慣病・慢性病の増加

なぜ医療先進国の日本で、生活習慣病は増え続けているのでしょうか?

生活習慣病は、今や健康長寿の最大の阻害要因となるだけでなく、国民医療費にも大きな影響を与えています。食生活が欧米化した日本では、肉食・動物性乳製品等の動物性たんぱく質や動物性脂肪、精製された穀類など高タンパク・高脂肪・低食物繊維の食事が増え、ガンや糖尿病等の生活習慣病・慢性病が増大し、病人が増え続けていることが「現代の栄養学」で解明されています。また、加工食品など様々な食品に含まれる異性化糖(HFCS)などの糖分が、肥満やメタボリック症候群の主要因であることも解っています。健康に良い食物・悪い食物の常識は、昭和の時代のそれとは大きく異なってきているのです。

生活習慣病は、文字通り食習慣や運動不足など、不健康な生活習慣が発症の原因です。肥満の患者数は約2,000万人、メタボリックシンドロームも予備軍を含めて約2,000万人ともいわれています。ガンや糖尿病の他には、心臓病、脳卒中、高血圧、脂質異常症、肺疾患、アルコール性肝障害、歯周病、眼疾患、骨粗しょう症、肝硬変、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、クローン病などがあります。

とくに心臓病、脳卒中、糖尿病、高血圧、脂質異常症は死亡率も高く、互いに関わりが深いことから「五大生活習慣病」といわれています。また米国・カリフォルニア大学の研究で乳ガンの遠因が便秘にあることは、10年以上前に科学誌『サイエンス』で報告されています。生活習慣病・慢性病は、現代医学にとって、病人を減らすことができない「難病中の難病」なのです。


多様かつ重要な“腸内細菌の働き”

私たちは「ヒトと微生物から成る複合生物」だということをご存知でしょうか?

地球上に生息する微生物の総重量は、現在地球上に暮らすヒトの総重量の約1,000倍に等しいといわれています。この惑星のほとんどが、実は目に見えない微生物の世界なのです。そのなかの一部の微生物が、私たちの体に棲み、共に助け合って「わたしという個人」をかたちづくっているのです。

私たちヒトの内部と表面にはマイクロバイオーム(腸内微生物叢)と呼ばれる10,000種の細菌がいて、その遺伝子は2,000万個といわれています。ヒトの遺伝子が約2万個だとすると、私たちヒト自身の遺伝子は、ほんの0.1パーセント程度に過ぎません。私たちは、ヒトだけではなく、様々な微生物と共に生きているのです。

そして「内なる外」といわれる私たちの腸には、約1,000種ともいわれるマイクロバイオームが棲んでいます。この腸内に棲むマイクロバイオームの数は数百兆個といわれ、そのほとんどが大腸を棲み家にしています。60兆個(10兆個、37兆個という説もある)といわれるヒトの細胞よりも多く、重さにすると60キロの体重の人で1〜1.5キロにもなり、私たちの脳とほぼ同じウエイトです。

腸には1億個の神経細胞があって、これは脳以外に存在する神経細胞の半分にあたり、マイクロバイオームは神経細胞と活発に情報交換し、臓器のように働き、私たちの体のほとんどすべてに影響を及ぼすといいます。近年の研究では、マイクロバイオームの影響力が脳にまで及ぶということが明らかになりつつあります。私たちの世界観や気分、行動まで変えるというのです。マイクロバイオームは人それぞれに異なっていて、誰一人として同じではありません。つまり、マイクロバイオームは私たちの人格を決める要因になっているかもしれないということです。

世界中で進行している様々な研究は、微生物がヒトの病気や健康、老化や肥満、そして幸福に直接的、間接的に想像を超えた影響力をもつということを示しています。私たちヒトは複合生物で、彼ら無しでは生きていけないのです。


免疫作業の8割を担う“ 腸管免疫 ”

自然治癒力には、体の機能やバランスを自然に保つホメオスタシスとも呼ばれる「恒常性維持機能」や、古くなったり傷ついた細胞を修復したり、交換したりする「自己再生機能」、そして免疫力の中心的役割を担う「自己防衛機能・生体防御」の3つの機能があります。

病原菌やウイルスなど異物(非自己)の侵入や、変質した自己細胞を殺傷して体を守ってくれる役割を担うのが「免疫細胞」と呼ばれる白血球の仲間です。自己防衛機能・生体防御を担当するリンパ球は、60〜70%が、腸管という外敵を迎え撃つ最前線に配備されています。リンパ球が作る外敵を排除する武器のひとつ免疫グロブリンは、抗体全体の半数以上が腸管で作られています。諸説ありますが、免疫作業の8割を腸が担っていて、とくに「腸管免疫」とネーミングされています。

リンパ球を作ることで知られる「胸腺」は、40歳頃には4分の1程度に小さくなって、50歳でほぼ機能しなくなるため免疫力は40歳頃からかなり低下していきます。これが歳をとるとガンになりやすい理由の一つだといわれています。中年以後は、胸腺から消化管リンパ組織がその役割を引き継ぐため、腸管でいかに免疫機能を高めるかが重要になります。腸の状態が悪ければ、美容や健康に影響が出るのはごくあたりまえのことで、中年以後は、腸がわたしたちの美と健康のプラットフォーム(土台)になるのです。


腸内環境の悪化に潜む “自己免疫疾患”

植物性レクチンは糖鎖に結合するタンパク質で、動物が摂取すると体内で炎症作用を引き起こします。最近話題のグルテンは数千種もあるレクチンの一種です。植物性レクチンの恒常的摂取による慢性炎症は、体重増加にとどまらず、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患、リンパ腫や多発性骨髄腫などの腫瘍の発症基盤になるといわれています。

レクチンは腸壁バリアの腸管粘膜を傷つけてリーキーガット(腸漏れ)と呼ばれる状態にし突破すると、免疫機構を活性化します。活性化された免疫細胞はレクチンのみならず身体の似た構造物を相手かまわず攻撃するようになり、活性化されたリンパ球は暴走し容赦なく各臓器に浸潤して、腸管、甲状腺、脳、関節、唾液腺、皮膚、血管などの臓器が一斉に炎症を起こすのです。

「内なる外」といわれる腸の腸壁は精妙にできており、外部からの侵入者を防御しています。腸壁の表面積はテニスコートほどもありますが、腸粘膜はわずか細胞1つ分の厚みしかありません。ここを外敵に突破され体内に侵入されると、身体は何もかもめちゃくちゃになります。

しかしここでも私たちのマイクロバイオームが活躍しているのです。腸粘膜表面の粘液に生息する善玉菌は、腸の粘膜細胞を刺激して活性化させ、腸粘膜はレクチンを捕らえ、腸壁からの侵入を防御します。粘液を作れば作るほど、身体はレクチンに対して耐性を持つようになるのです。自己免疫疾患増加の背後には、腸内環境の悪化が潜んでいて、そもそも善玉菌優勢の状態が保てていれば、こうした免疫の誤作動は起こりにくいのです。


ハッピーホルモン“ セロトニン ”の8割が腸で作られる

精神的ストレスは、体外から入ってくる毒素の一種です。ヒトは「不安」という精神的ストレス状態が続くと、腸内の悪玉菌が増えるという研究結果があります。しかし生きていれば、ストレスから逃れることはできません。

腸内マイクロバイオームの働きは、脳が正常に機能するための物質も産生し、脳にも影響を与えています。ヒトのやる気や気分、学習、睡眠の制御など、感情をつかさどり、ハッピーホルモンとも呼ばれる神経伝達物質・セロトニンは、その80パーセントが腸の神経内分泌細胞でつくられています。セロトニンの不足は「うつ症状」など、不安定な精神状態を引き起こすのです。

私たちのマイクロバイオームが、神経内分泌細胞と情報伝達をしていて、ヒトの感情の状態は彼らに影響されているかもしれないというのです。まさに「腸は第二の脳」といわれる所以です。腸内環境が、ヒトのIQ(知能指数)やEQ(感情知能指数)にも影響している可能性があるということです。笑って生きることが、本当に大切なのです。


“ 腸内腐敗 ”は万病の元

私たちヒトの胃は、食物繊維を消化することができません。大腸に棲むマイクロバイオームは、食物繊維を発酵させて酢酸塩や酪酸塩エステル、プロピオン塩酸エステルなどの「短鎖脂肪酸」を作り出し、健康維持に欠かせない役割を果たしています。

一方で、腐敗とはどういうことなのでしょうか?

医学的には腸内腐敗のことを「腸内異常発酵」といいますが、動物性の食物に含まれるタンパク質が微生物などによって分解されてアミノ酸に変わり、さらに微生物が作用して有害な腐敗産物が作られる過程のことをいいます。

タンパク質は炭水化物、脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれていて、私たちヒトに欠かせないものですが、腐敗となると、なにやらゾッとする光景が眼に浮かびます。ヒトの腸内の温度は37〜38度で、季節にすれば真夏の炎天下と同じ腐敗しやすい環境です。

食べ過ぎなどで「消化しきれなかった動物性タンパク質」は、悪玉菌といわれるウェルシュ菌や大腸菌、ブドウ球菌などが腐敗させ、アンモニア、フェノール、インドール、スカトール、アミン類、硫化水素といった有害物質(東洋医学では体毒)を生成します。これらの有害物質が生活習慣病・慢性病、肌荒れやシワなど過度な老化の進行、精神の不調等、万病の原因といわれています。なかでもアミン類は、ヒスタミン、チラミン、ニトロソアミンという強い発ガン物質の原料になります。

またトリメチルアミン- N -オキシドが血液中に大量に見つかれば、心臓発作や脳卒中のリスクを高め、最悪、生死にかかわる「動脈閉塞」にもつながることがわかっています。研究では、完全菜食主義者(ヴィーガン)や菜食主義者は、肉食系の人たちに比べてトリメチルアミン- N -オキシドの血中濃度が低いというデータが得られています。

腸内腐敗によって発生した有害物質は、免疫器官である腸管に直接ダメージを与え、有害物質の一部は腸管から直接血液中に吸収され、全身を駆け巡ります。また、腸から「門脈」を通じて肝臓に送られた有害物質は、肝臓の処理能力を超えると血液を汚濁し、全身を循環、そして全身に運ばれた有害物質は、様々な器官や臓器、遺伝子に悪影響を及ぼし、様々な病気や肌荒れやシワなど過度な老化の進行、精神の不調等をもたらすことになります。まさに「血は生命なり」というわけです。

体内に入った食物は、さまざまに分解されて活用されますが、分解できないタンパク質や脂肪のカスが蓄積されます。過食とともにカスの量は増え、蓄積されたカスは細胞のはたらきを鈍くして、病気の原因になります。アルツハイマー病などの神経変性疾患は、このカスの蓄積による病気とされています。

赤身肉などによる脂肪の摂り過ぎは、脂肪の吸収を助ける胆汁を過剰に分泌させます。胆汁に含まれる胆汁酸は、腸内のマイクロバイオームによって「二次胆汁酸」という極めて有毒な化合物に変えられ、大腸の細胞、遺伝子を傷つけ、細胞の異常成長を引き起こします。つまり、「大腸ガン」のリスクを高めるということです。

日本では、ここ20年間で大腸ガンの患者が約4倍に増加しており、部位別のガン患者数では、男女合計の第1位、女性の第2位、男性の第3位にランクされています。(2016年に新たにガンと診断された患者数厚生労働省2019年1月16日発表)近年の日本人の肉消費量は、大腸ガンの増加と符合するように激増し、1950年の15倍以上というデータもあります。

また精製された穀類(全粒穀物を使用しない麺類やパン等)は、粘着質で腸壁を覆い硬化し、栄養分等の吸収を妨げ、十分な食事を摂っていても栄養失調になる可能性を高めます。


美容の大敵“ 活性酸素 ”

活性酸素には、殺菌や消毒といった作用があって、私たちヒトが生きていくうえで欠かせないものですが、血液中の新鮮な酸素を減らし、体をサビさせる「美容の大敵も活性酸素」なのです。動物性タンパク質は、元々ヒトにとって分解しにくい栄養素で、肉を食べ過ぎると、体内の巨大化学工場といわれる肝臓は分解・合成の作業をフル稼働させ、活性酸素を大量に発生させます。なんといっても、活性酸素は酸素の千倍も一万倍もの強力な酸化力があり、遺伝子や組織を酸化させたり、傷つけたりして私たちは老化していき、生活習慣病などの病気をも引き起こします。

ヒトを動かすエネルギープラント(発電所)である細胞内のミトコンドリアは、酸素を使ってATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれるエネルギー物質を作るとき、ある程度の活性酸素を発生させます。しかし問題は、より大量の活性酸素を生み出す発生源、白血球の仲間の「好中球」と「マクロファージ」と呼ばれる細胞です。これらの細胞は、ヒトの体内に「異常事態」が発生したとき、大量に活性酸素を放出させ解毒しようとします。異常事態とは、体内に細菌やウイルスなどの異物が侵入したときや、骨折や切り傷、打身などの外傷を負ったとき。そして、体内で毒素が発生したとき、つまり「腸内腐敗」です。


“ 悪臭便 ”は腸内腐敗の認定証

「母乳で育った赤ちゃんは、病気になりにくい」という話を聞いたことがありませんか。母乳を飲んでいる赤ちゃんの腸内マイクロバイオームの99%は善玉菌の代表・ビフィズス菌で、乳酸や酢酸を作り出します。ですから健康な赤ちゃんの腸内は、pH4.5〜5.5の酸性になっていて、腸内腐敗や病原菌の増殖が抑えられているのです。便にも悪臭がせず、甘酸っぱい匂いがするほどです。

便やオナラに悪臭・腐敗臭があるのは当たり前と思っていませんか?

成人でも腸内腐敗の無い人の便は、匂いはあっても悪臭はありません。

便やオナラの悪臭(腐敗臭)は、腸内腐敗の認定証です。悪臭の主成分は、インドール、スカトール、硫化水素、アミンなどの有害な腐敗産物です。便は老化のバロメーターで、便やオナラが臭いということは、腸内で有害物質が大量発生している証拠です。病気のリスクを高め、シミやシワなど実年齢以上の老化が進んでいるのです。「便秘や宿便状態」というのも、ちょうど同じような状態です。とくに女性は、女性ホルモンの働きによって余計に水分を吸収されるので便秘になりやすい(便秘症状の約7割が女性)といわれています。健康な便は匂いはあっても悪臭は無く、黄色か黄色味が強い黄褐色をしています。

腸管内にたまったガスは、血液内のガスといつでも交換することができる仕組みになっていて、腸管内のガス濃度が高くなると、ガスは血液に混じって肺に運ばれ、呼気として体外に排出されます。ということは、腸内腐敗がある人が我慢したオナラは、吐く息と一緒に出てしまうということです。そして臭い血液は、皮膚表面にも送られ、汗と一緒に排出されて体臭になります。自分の臭いは、自分ではなかなかわからないものです。


生涯の美と健康は

“ キレイな大腸 ”がもたらす

ヒトは外部から侵入したウイルスや病原菌か、自らが創り出した有害物質によって血液を汚し、様々な器官や臓器、遺伝子を傷つけて病気になります。そして、食べたモノが腸内に長くとどまる(汚れた腸)ほど、有害物質による老化や病気のリスクが高まります。

腸内の悪玉菌は、今や現代人が日常的に食べている動物性タンパク質や脂肪、砂糖、炭水化物、飽和脂肪酸が大好きなのです。また、第二の脳といわれる腸が、より多くの糖分を求めるように条件づけられ、脳に指令を送ると、私たちの身体はそれに逆らえなくなります。食欲は抑えられず、大量の脂肪がどっさりと作りつづけられるのです。毎日の排泄こそ、美と健康のはじめの一歩、ファーストステップなのです。

多くの健康法は食生活の補完として、ビタミン剤やミネラル剤等の栄養補助食品や抗酸化食品の摂取を勧めます。しかし腸内腐敗があっては、期待した成果は得難いのではないでしょうか。そして生活習慣の改善に、ヨガやエクササイズ、ストレッチ、呼吸法、マインドフルネス(瞑想)、良質な睡眠などを推奨しますが、腸内腐敗を放置していては思ったような効果は期待できないでしょう。

また農薬等の化学物質を含まないオーガニックな自然食品を食べていても、腸内腐敗があれば無意味となってしまいます。高価なオーガニック化粧品をつかっていても、結果は同様です。故ダイアナ妃をはじめ世界のセレブリティの多くは、大腸のおそうじを習慣にしているといいます。何を食べ、何をするかは、排泄の後のプロセスなのです。

 

「清潔な腸は、化粧品1トンに優る」

─ Colon hygiene : Kellogg, John Harvey M.D., 1852

 

魚や生きた酵素を含む、加熱しない植物性食品(生菜食)や発酵食品などの低タンパク・低脂肪・高食物繊維の健康に良い食生活をはじめ、適度な運動、質の良い睡眠、健全な精神生活など生活習慣の質(Quality of Life)の改善が大切です。しかし、何をおいても「大腸のおそうじ」を習慣にしなければ、せっかくの努力や投資が無駄になります。まずは排泄して「キレイな大腸を維持」することが必須です。「マイナス腸活」は、全ての美容・アンチエイジング、健康法の入り口で、美しく健康な心と身体・健康長寿は、「大腸のおそうじ習慣」によってもたらされます。

 

「長命を得んとするものは、腸内を清くせよ」

─ 長命の生理:西勝造 Nishi, Katsuzo, 1957 青蛙房

 

あなたはいかがですか?

心当たりのある人は、ただちに改善する必要があります。放置すれば、将来にわたって潜在的対価をもたらすことになるのは必然です。人生100年時代の到来は、より多くの老後資金を必要とします。生涯医療費の削減は、必須課題となるでしょう。

ヒトマイクロバイオームは「外部にあるもう一つの臓器、第二の※ゲノム」といわれる運命共同体なのです。私たちはキレイな大腸を維持し、そこに棲む大切なパートナー、「マイクロバイオームを愛し育むことで、心と身体の美と健康を生涯保つことができます。」私たちヒトは、独りで生きているわけではないのです。

 

「わたくしは細菌と雖いえどもそれとの闘争を好まず、共存共栄を念願するものである。

生物繁栄の道は闘争ではなく、共存共栄の王道につながっていることを知らねばならぬ。」

─ Bid farewell to diseases / 病気よ、さようなら

西勝造 Nishi, Katsuzo, 1956

 

監修|Supervisor

石井文理 医師|Fumimasa Ishii M.D.

医療法人愛康内科医院 医院長(福岡県久留米市)

渡辺莞爾 医師・医学博士|Kanji Watanabe M.D., Ph. D.

渡辺医院 医院長(東京都中野区)

 

「便秘」や「排泄」には、ネガティブなイメージがあります。しかし私たちは、排泄こそ「美しい人」「美しい社会」「美しい文化」の礎となるものだと考えています。

弊社では、「大腸のおそうじ」で“腸内腐敗”を予防・改善し、美しく健康な心と身体を養い、健康長寿を実現する生活習慣を「マイナス腸活」とよんでいます。「マイナス腸活」が、ご家族やご友人の間で、ポジティブに話し合える話題となって欲しいと願っています。


※ヒポクラテスHippokratēs; Hippocrates [生]前460頃[没]前377頃:医聖といわれる古代ギリシアの医師。医者の家に生まれ,ギリシアだけでなく小アジアにも広く旅行して,医学を教えたり,医療を施して,当代最高の医師といわれた。60〜70巻からなる『ヒポクラテス全集』Corpus Hippocraticumは彼の没後,前3世紀中にアレクサンドリアの学者によって編集されたもので,解剖学,婦人や小児の病気,食餌療法や薬物療法,外科などを扱っており,近代まで医学界に大きな影響を与えた。同全集中の『箴言集』Aphorismiは19世紀まで教科書として使われ,医師の倫理を説いた「ヒポクラテスの誓い」は、現在でも医学部の卒業式などで朗読されている。

※ゲノム(独: Genom、英: genome);生物が正常な生命活動を営むために必要な、最小限の遺伝子群を含む染色体の一組。種によって数が異なる。


参考文献

阿部智浩(1999)『腸内腐敗は万病の元』文芸社.

伊藤 裕(2011)『腸!いい話 ─病気にならない腸の鍛え方』朝日新聞出版.

済陽高穂(2011)『「朝ジュース」で免疫力を高める』大和書房.

光岡知足(2005)『腸内クリーニングで10歳若くなる ─  老化と大腸ガンを防止する善玉菌の驚異』祥伝社.

光岡知足(2014)『最新版・老化は腸で止められた』青春出版社.

光岡知足(2015)『腸を鍛える─腸内細菌と腸内フローラ』祥伝社.

村田博司(2008)『腸が死んだら、人は死ぬ ─ 整腸が人類を救う』ポプラ社.

吉川敏一(2005)『不老革命─老化の元凶「フリーラジカル」と戦う法』朝日新聞社.

渡辺莞爾(2012)『病気知らずの体になる「腹七分目」の満腹法』青春出版社.

渡辺 正(1967)『西医学による現代病への挑戦 ─ 理論と治験例』光和堂.

渡辺 正(2003-2008)『朝食抜き!ときどき断食!─ 免疫力・自然治癒力健康法』講談社.

ソネンバーグ, ジャスティン・ソネンバーグ, エリカ(2016)『腸科学 ─ 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多恵子訳、早川書房. THE GOOD GUT ─Taking Control of Your Weight, Your Mood, and Your Long – term Health by Justin Sonnenburg and Erica Sonnenburg

デサール,ロブ・パーキンズL ,スーザン(2016)『マイクロバイオームの世界─あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たち』斉藤隆央訳、紀伊国屋書店. WELLCOME TO THE MICROBIOME  ─ Getting to Know the Trillions of Bacteria and Other Microbes In and Around You by Rob DeSalle & Susan L. Perkins

ブレイザーJ. マーティン(2015 – 2016)『失われてゆく、我々の内なる細菌』山本太郎訳、みすず書房. MISSING MICROBES ─ How the Overuse of Antibiotic Is Fueling Our Modern Plagues by Martin J. Blaser

モントゴメリー, デイビッド・ビクレー, アン(2016)『土と内臓─微生物がつくる世界』片岡夏実訳、築地書館. The Hidden Haif of Nature: ─ The Microbial Roots of Life and Health by David R. Montgomery, Anne Biklé

ロバート・H・ラスティグ『果糖中毒─19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?』(2018年)中里京子訳 ダイヤモンド社〝FAT CHANSE ─ Beating the Odds Against Sugar, Processed Food, Obesity, and disease〞by Robert H. Lustig, M.D., M.S.L.

スティーブン・R・ガンドリー『食のパラドックス─6週間で体がよみがえる食事法』2018年白澤卓二訳翔泳社 THE PLANT PARADOX The Hidden dangers in "Healthy"Foods That Cause Disease and Weight Gain by Steven R. Gundry, M.D.

津川友介『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(2018年)東洋経済新報社 The Best Diet: Simple and Evidence-based Guide to Healthy Eating

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