美と健康の真実を考える

“加工肉には発がん性があり、 赤身肉にはおそらく発がん性がある” ─ 世界保健機関|WHO

2020.11.02

 2015年10月、世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC)が、「加工肉には発がん性があり、赤い肉はおそらく発がん性がある」と発表しました。加工肉は一日あたりの摂取量が50g(ホットドッグ1本、ベーコンスライス2枚)増えるごとに、大腸ガンのリスクは18%増加し、赤い肉の場合、1日100g摂取するごとに大腸がんのリスクが17%増加すると報告されています。加工肉には発がん性物質といわれる亜硝酸ナトリウムという着色剤が使われています。

売上に大きな影響を与えるこの声明に、世界中の精肉業界は一斉に反発することになります。日本でも日本食肉加工協会など国内3団体も共同で「加工肉に対する信頼を揺るがしかねない」との声明を出し、あらゆる手段を使って、加工肉や赤い肉は健康に悪いものではない、という印象を与えるマーケティングを展開しています。

中でも、日本人の肉摂取量は少ないため、この結果は当てはまらないという主張をしばしば目にしますが、日本人が摂取している量であったら本当に問題ないのでしょうか。近年の日本人の肉消費量は、大腸がんの増加と符合するように激増し、1950年の15倍以上というデータもあります。

国立がんセンターの研究者が日本人8万人を対象に行った研究でも、加工肉や赤い肉の摂取量が多くなると、大腸がんのリスクが高くなる傾向が認められています。大腸がんは「結腸がん」と「直腸がん」に分けられますが、結腸がんでその影響が認められたのです。女性においては、摂取量が一番多いグループは、一番少ないグループと比べて結腸がんのリスクが48%高かったと報告されています。

一方2019年10月1日、カナダのダルハウジー大学の研究者など専門家14人で構成される国際研究グループが、栄養に関する新たな推奨ガイドラインを発表しました。「赤身肉の摂取を減らすべき」というアドバイスには十分な裏付けがなく、私たちはこれまでと同じ量の肉を食べ続けてよいという主張です。

しかしこの主張は、新しいエビデンス(証拠)に基づくものではなく、栄養学の疫学調査・観察研究によるエビデンスをどう解釈するかの違いをついたものでした。 この新しい論文の発表は、米国心臓病協会(AHA)や米国がん研究協会(AICR)、ハーバード大学など多くの研究者たちから批判を浴びています。

 「加工肉を頻繁に食べたり、赤身肉を多く摂取したりすることは、大腸がんのリスクを高める。そうした食品の摂取を控えなくてもよいと助言すれば、人々は大腸がんのリスクにさらされるうえに、食事に関するアドバイスへの信頼も損なわれることになる」。「栄養学の信頼性を傷つけ、科学的研究の威信を失墜させる」と苦言を呈し、発表したのは無責任だったと述べています。また、この新論文に関しては、研究チームが精肉業界から資金提供を受けていたことが後に発覚しています。

ちなみにハーバード大学は2012年に「赤身肉の食べ過ぎが糖尿病、心臓疾患、ある種のがんとの関連がある」ことを示す大規模な研究結果を発表しています。また2019年、権威ある世界五大医学雑誌の一つである『ランセット』で発表された研究結果は、「肉と砂糖の摂取量を半分にするだけで、世界で心臓病や糖尿病で亡くなる人の数が毎年1000万人減らせる」というもので、大きな注目を集めました。

がん細胞は動物性タンパク質が大好きです。大量のタンパク質を代謝することは高血圧、肥満、そして寿命短縮に関わっています。さらに、動物性タンパク質に含まれるある種のアミノ酸 ― メチオニン、ロイシン、イソロイシン ─ は、急激な老化とがん成長の元凶のようだと考えられています。さらには、アルツハイマー病発症リスクは肉消費量に直結しているといわれており、動物性タンパク質量を制限することは、健康年齢も寿命も延ばすのです。

 私たちには、病気をどの様に治療するかの前に、「どうしたら病気にならないかの知識と手段が必要」なのにも関わらず、残念ながら、スポンサーからの広告収入に頼る日本のマスメディアが、こうした世界的に重要で重大な情報を積極的に報道することはまず無いと言っていいでしょう。

自らの心身の美と健康は、マーケティングを目的とした様々な企業の情報に惑わされることなく、自身が情報収集し取捨選択しなければならないのです。

最上の医学とは「病気に罹らないこと」、つまり「予防医学」のことに他なりません。

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